羞恥こそ
※アンケコメ:双子設定以外でエロ


「か、 和成 くん」

「悠ちゃん、あのさ。もう堪えられないんだけど」

「あ、あの言ってる意味がいまいち、」

分からない、と蚊の鳴くような声で答える悠ちゃんはとても困惑している様子だ。そうだろうなあ、勉強を教えて欲しいって頼まれて人の家に来たのに部屋に上がったら早々にベッドに押し倒されてるんだもんな。もしかしてこの体勢で意味するものを理解してないのかも?いや、さすがにそれはないだろう。理解してるけど認めたくないだけだけなんだろうなあ。

「したいんだけど」

「―っ!」

行為を口にした途端、悠ちゃんの表情は一気に青ざめた。あ、やっぱり理解はしてたみたいだ。やんわりとそれを回避しようとしてたんだろうけど、俺にバッサリ言い切られてもう逃げ場がなくなってしまった。どうしようどうしようと慌てふためく様子を見ていると、彼女を自分の掌の上で転がしてるみたいでちょっと面白い。

「で、でも、私」

「ん、大丈夫。痛くしないから」

もうなんでも良いから早く彼女に触れたくて。言葉を遮ってぎゅうと、真正面から抱き締めた。



真面目で優しくて小っちゃくて細くて白くて笑うとめちゃくちゃ可愛い。可愛いけど凄く奥手で一線越えようって雰囲気になると酷く取り乱して、手を繋ぐだけでも半月かかった。指がちょっと触れただけで顔を真っ赤にして黙り込んじゃう。今時こんな反応する子いるんだ、と手に入れた嬉しさ半面不安にもなった。大事に出来るかな、とか。なんか壊しちゃいそうで怖いくらい。好きで仕方ないのに、どうしようね。キスする時なんかぎゅっと目を閉じたまんま、まだまともに唇にさえ、ちゃんと触れられてない。ほっぺたで精一杯。真っ赤になった顔を俯かせて、困ったように眉間に皺寄せて、でもなんかちょっと嬉しそうな。

そんな絶妙な表情で反応がやたらとムラっとするようなものばかりで、勿論狙ってやってるわけじゃない。多分、俺の感じ方が偏ってるのもあると思う。でもそんな切なそうなカオされたら、健全だけど、頭の中じゃ不健全なことばっか考えてる高校生男子には毒な訳で。もう、我慢の限界に近い。だから、ちょっとだけ嘘を吐いて家に連れ込んで上手く言いくるめて、ぎゅうと、抱き締めた。

「ひ、っ」

首筋にキスをする、それだけでも悲鳴上げちゃって。汚れを知らないようなその反応は、真っ白いキャンバスに絵の具を散らしていくみたいで気持ちが昂ぶる。スカートを申し訳程度捲って太ももに触れる。やっぱ女の子って柔らかくて気持ち良い。ふわふわしてるしスベスベしてる。髪の隙間から顔を出している耳に噛み付いたら大袈裟に肩を揺らして、抱き締めてる腕を必死に掴んできたりする。その様子をまじまじと見ていると、所作の全てが愛しく感じてしまって気持ちが爆発しそうだ。

密着してるからなのか、悠ちゃんの甘い匂いがする。香水とかじゃない、シャンプーかなんかの匂い。どっちにしろ(前者は確実にないけど)さっきから漂ってる匂いが悠ちゃんのものだと意識してしまってから、無性にムラムラしてしまって。手を差し込んで下着に触れたとき、やっぱり蚊の鳴くような声で言った。

「恥ずかしい…」

「平気、俺しか見てない」

「み、見られてるのが嫌なのに…あっ」

指を下着の隙間から滑り込ませる。汚いから嫌、と首を横に振ってるけど、そんな風には思わない。寧ろ悠ちゃんの素肌に触れられたことが嬉しくて仕方がない。大事なところに触れると、息を殺して俺にしがみつく。くすぐったいのか、気持ち良いのかはわからない。悠ちゃんがどっちにしろ、指先の感触に感激に近いものを覚えた。わ、わ、やばい。俺、今すげえ興奮してる。勃ってきちゃった。制服のその部分がちょっと苦しくて前屈みになる。

それなのに指の動きは勝手に加速するばかりで、さっきよりねちねちと悠ちゃんのソコを撫で回している。濡れてきてるのか、ちょっと水っぽい音がする。指もなんか湿ってるような感じがする。小さい声でん、と違和感を訴える甘い声を漏らしている悠ちゃん。ああ、可愛いなあ。早く彼女の白い肌を見たい。一心不乱にそればかりを考えて、そこを撫でていたら膝辺りにそれが触れたらしく、悠ちゃんはぎこちない動きで俺を見てくる。

「和成、くん?」

あ、バレちゃった。困惑したような、ちょっと羞恥が滲んだような顔。どうして悠ちゃんが恥ずかしそうな顔をするかな。彼氏が自分の体を触っていてそういう反応をしてしまった訳だから恥ずかしい、ということになるんだろうか。でも、恥ずかしいことじゃないだろ?これは歴とした性行為。愛を囁き合って互いの気持ちを確かめるもの。好きで仕方ないんだ、こんなになってしまうのはご愛嬌。

困ったように顔を背ける悠ちゃんの膝にもっと押し付けると、恥ずかしさからますます顔を逸らしてしまう。ああ、ああ、どうしてそんなにそそる表情ばかりを見せてくれるんだ悠ちゃん!もう駄目、本当に自制が利かなくなってしまう。

「ごめん、悠ちゃんが可愛くてこんなんになっちゃった」

だから、もっとその顔を見せて?


羞恥こそ
(最高の興奮剤)


訂正:20121207
初出:20120917
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -