食って食われて
※陽泉マネージャー(三年)で彼女
「悠ちん、本当にするの?」
「ん?敦が嫌ならしないよ」
「俺は、嫌じゃないけど」
洗ってるけどさあ、と口ごもる敦は少し恥ずかしそうに私から視線を逸らした。あれ、珍しい。そんな風に照れてるなんて。
「それって咥えるもん?」
「そういうやり方もあるんだよ」
「何で知ってるの?」
「年の功ってやつ?」
「悠ちんお婆ちゃんみたいなこと言うね」
「あは、高校三年でお婆ちゃんとか嫌だな」
敦の部屋のベッドの中、下半身を寛がせている辺りに顔が出るようにしてシーツから顔を出す。まだ刺激をほとんど与えてないから大人しいそれはまだ可愛らしい。萎んだままの肉棒にちゅっと口付けて愛撫を始める。温かいそれを手で包んでゆっくり上下に扱くと、頭上から息を飲むような気配がした。
「なんか、変な気分」
「ん?そう?」
「柔らかいし温かいし…っ!」
「む、ぅ」
やわやわと断続的に与えられる愛撫に反応する。片手で足りてた扱く動作も、両手じゃないと満足に出来ない。雁首をもたげて私の顔の前にそそり立つそれが更に質量を増す。下世話な話題には興味ないけど、耳にはしたことがある。敦のは、平均的なサイズを上回ってる。例外なく大きい。
「っ、…」
「んむ、ん」
「熱…」
敦の声が吐息交じりになって心なしか艶めいてきた。反応してくれるのがとても嬉しい。バスケットボールを易々と掴めるくらいに大きな手が、私の頭を撫でる。その感触がくすぐったくて、紛らわすように行為に集中する。敦のが口に入り切ることはなくて、根元の方は手でやるしかない。
亀頭を舌先でしつこく舐めながら、手で上下に扱いていると突然肩に手を置かれた。上を盗み見る。敦は、少し苦しそうにしながらも感じてくれていて息が浅い。普段眠たそうにしてる目付きとはえらい違い。色っぽい。気持ち良いのかな、と気になってしまって咥えたままの状態で名前を呼ぶ。当然何を言っているかなんてわからないだろうけど。
「あふし?」
「ちょ、喋んなし…っ!」
「んっ」
体を大きく震わせてそれから私を引き剥がした。口の中からそれが出て行ってしまって物足りなさを感じた。勃ち上がったそれは自立していて支えは必要ないくらい。あっという間に大きくなったな、なんてぼんやり考えていると敦は唇を尖らせながら言った。
「…っ、くすぐったいんだけど」
「ごめん」
くすぐったいっていう反応じゃなかった気がする。とは思いつつ言及しないでまた下腹部に手を伸ばす。抵抗はしないから、別に続けて良いんだよね。敦の様子を伺いながら、さっきと同じように先端を咥えて愛撫を再開した。
「ん、っ」
「あ、ふ」
息をするのもしんどい。しゃぶって扱いて必死に呼吸をして、敦の反応を見ながらどこが良いかななんて考えを巡らせて反応したところを責めてみる。先端にやんわりと歯を押し当てると、体が震えた。強すぎると痛覚しかないけど、優しくするのが気持ち良いのかな。敦が私にするみたいに、唇でしながら途中で歯を掠めるようにしていたら項辺りを強く押された。それと同時に、敦の切羽詰った声が聞こえた。
「悠ち、っあ、ぅ」
「−っ!」
後ろからの圧力と、口の中に押し込まれた熱に咳き込みそうになるのを堪えた直後。どろりとした液体が口の中に溢れる。吐き出しそうになったけど後頭部を押さえつけられてて、敦の余韻が抜けるまで大人しくしているしかない。
「…っう」
「あ、う」
「ちょっ、待った。動かないで悠ちん」
まだだめ、と言いながら敦はほんの少し体を痙攣させている。はぁ、とため息を吐いてようやく拘束を解いてくれた。ティッシュを取って口の中に溜まっているそれを吐き出す。
「やば、かった」
「んう?」
「すっごいエロい顔してんだもん」
悠ちんの顔見てたら出ちゃった。敦は照れくさそうに言った。と、同時に私はベッドに押し倒されていた。
食って食われて
(今度は、私が食われる番だ)
20121205