熱に浮かされて
※アンケコメ:笠松と部屋でいちゃいちゃしてる
※年上夢主


コートの上では益々凄みが増して、まさしく『全国区のチームを引っ張るキャプテン』だけどそれ以外のところでは相変わらず。への字に曲がった口と不満げな眉間の皺を上から見下ろして、私は至極堪らない気持ちになってる。

「ふふ、油断したね」

「不貞寝してたんじゃないんですか」

「久しぶりに会えたのに不貞寝するわけないじゃん」

高校卒業後、勉強とかバイトで時間が取れなくて幸男と会う回数がめっきり減った。彼は部活で忙しい。メールや電話で話すことはあったけど、やっぱり直に会って話さないとほんの少し溝が生まれるものだ。

「悠さん、NBAの録画したやつってあります?」

「あ、うん。そこに並んでるやつの右側は全部それ」

以前にも増してバスケのことを考えている時間が増えた。後輩が逞しく成長した姿を見れるということは嬉しい。そうだとは思いつつ、やっぱり私が二の次だと少し悲しいなと思うのも事実なわけで。ヘソ曲げた真似したら気にかけてくれるのかな。なんて、子供っぽいことを考え付いたから布団に潜って様子を見てた。

騒がしく構ってくれと連呼してた私が静かになって、ちょっと焦った(のかどうかはちょっと分からないけど)のか、布団の傍まで近寄って来て心配そうな声で「悠さん?」と名前を呼ばれて。しめしめ、罠にかかったな。布団から飛び出した勢いのまま幸男を押し倒した。ふふふ、私が芝居をうっていたことに気がつくも時既に遅し。

「騙すなんて卑怯ですね」

「失礼な…。ていうか、なんか、大きくなったねえ」

「そうですか?」

「体重増えたんじゃないの?」

筋肉は重いからね。もとより無駄なものなんてほとんどなかったけど、更に磨きがかかって一層無駄が削ぎ落とされているような感じがする。体脂肪率いくつだい、君。

「ああ、確かに少し増え  ―!」

裾から手を滑り込ませて、見事に分割されて隆起している腹筋を撫でた。その感触に思わず「おお」と感嘆の声を上げてしまった。幸男くんったら、いい体してますなあ(なんちゃって)。シャツを捲り上げるとスカート捲られた女子みたいな反応をする幸男は、耳まで真っ赤だ。

「いきなり何やらかす気ですか!」

「会えなかった分、ちょっと濃密に過ごしたいなと」

「やっ、あの ちょっ」

「時間が短い分、濃く行こうぜゆっきー」

「誰がゆっきーですか」

着てるワンピースの裾を捲りあげると、体勢的に幸男のほぼ目の前に私の股間がある。黒地に白レースの、色合いはそんな派手じゃないけど、ちょっと透けててえっちいパンツが晒されてるわけで。うふ、何だか興奮する。ほんの些細なことなのにね。股辺りに腰を落とすと、ズボン越しに隆起してるそれに当たる。あ、勃ってる。いい反応ですなあ、ふふふ。先端を指でちょんと突くと、幸男の肩が跳ねた。

「直接触ってないのに、シミ出来ちゃったじゃん」

「ねちっこく弄りまわすからですよ…!」

「でも、それだけでこんなになっちゃうの?」

「そういう悠さんだって、凄いことになってるじゃないですか」

「んっ!?」

腿を上から押さえつけられて、それと同時に下から幸男のでそこを押し上げられた。幸男のそれの形が、ぴったりと私のそこに重なる。ちゃんと触れたい。

「いい?」

「何がです」

「ベルト、外して良い?」

前を寛げて、私はパンツを横にズラして幸男のそれに覆いかぶさるように腰を浮かした。どくどくと脈打つ感覚と、ぬめる感触。相変わらず幸男のは立派だ。股の下に居るそれの感触にうっとりしてると、体が熱くなった。じゅくじゅくと、体の中心が熟した果実みたいに解れて溶け出してるみたい。互いに、中心部分には触れていないのに、こんなに反応を示してる。幸男の反応に満足してる場合じゃなかった。私の反応も、かなりのもの。自分で言うのもなんだけど。恥ずかしいやら、それが逆に心地良いやらで、淫らな感じになってきた。びしょ濡れだ。

「ん、あっ」

腰を前後に揺すってると、入り口に幸男の先端が引っかかる。それが心地良い。もう少し力加減を強くしたら、あっさり入り込んできそう。ご無沙汰だから、なんだか幸男が物凄く欲しい。もうちょっとだけ、強く擦っちゃえ。ぐぬ、と言い表しようのない感触とともに、先端が、私の中に、埋もれた。つるんと丸くて滑らかな質感。入り口をこじ開けて入ってこようとする。

「悠さ、」

「あん、あっ ごめ 我慢、出来な」

本能の赴くまま、腰を前に押し進めると、充足感に声が出てしまう。はしたない声が、抑えられない。

「ひゃ あ 、あっ、おっき…!」

腰が勝手に震えた。つま先から脳天まで、体中を隈なく快感が駆け巡る。甘い疼きに二、三度だけ腰を前後に揺らしたら、ぱちんと何かが私の中で弾けた。私は勝手に幸男の上に跨って、自分で勝手に入れて、そのままイってしまったのだ。なんて恥ずかしい…!でも体は本能に従順でどうしようもないくらい、熱が欲しくて堪らない。

「あっん、ごめ ごめん幸男っ」

「っ!悠さ、ん…!」

「ひゃん!」

ごりっと、お腹の奥で何かが擦れた。

「俺も、動いて、良いですか」

幸男の視線が、見たことないくらいに欲情してて、図らずも体が、疼いた。


熱に浮かされて
(貪り合おう)


20130330
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