悦楽の海に沈んでいく
※腹黒彼女(if設定で原の彼女)
※原と古橋で愉悦の続き
※3P


目を覚まし、一連の行為を思い出して気分が悪くなった。皮膚がシーツと癒着してしまったみたいにくっついて離れない。どれくらい意識を飛ばしてたんだが、見当もつかないけど体が凝ってるから結構長い時間なのかもしれない。背後から古橋の抑揚のない声がした。

「もう少し寝てたらどうだ」

「……」

「いつも仏頂面だからああいう声で啼くとは思わなかった」

「うっさい」

何を言ってるんだコイツ。体が自由に動かせるなら蹴りの一発でも入れてるところだ。ひりつく喉の痛みに空咳が続く。部屋の主の原が居ないのが気になったけど、静かだから別にいいか。気にするのをやめた。

「水、飲むか」

「要らない」

差し出されたペットボトルを跳ね除ける。体を動かすのがここまで億劫だと思ったのは初めてだ。合宿明けの筋肉痛の比じゃないし、種類が違う。骨の髄からだるい。重たい。ガーゼが水を吸って膨らんでるみたいな、変に膨張してる感覚が体中を支配している。酷く緩慢な動きで上体を起こした時、下腹部に違和感を覚えた。

「な、何これ」

あったはずのものが、ない。

「…は?」

え、何?意味が分からない。状況を飲み込めず呆然としていたら古橋が私の腕を掴んだ。

「掛川」

「!」

掌が熱い。余りに熱くて驚いて振り返ったら、能面のように表情の変化が乏しい古橋と目が合う。こいつの考えてることが分かってしまった。ざあっと頭から血の気が引く音がしたような気がする。

「嫌、離して」

「据え膳食わぬは男の恥」

「知らない、恥だろうがなんだろうが知ったこっちゃない」

「冷たいな、肌が」

「人の話聞けってば」

「原が『次は前後交代ね』って言ってたからな。別に問題ないだろう? 」

「ちょ、やめて…っ  !」

しゃがれた声で何を言っても無駄だった。抵抗してるとは到底思えない腕の突っ撥ねを跳ね除けるまでもなく古橋は私の足を押し広げた。



自分の彼女の喘ぐ声を行為に加わってない状態で聞くのっていい気分じゃないなー、なんてドアを押しながら考えてた。

「ひ、あっああ」

髪の隙間から項が見えて、浮き上がった背筋の線がすーっと一本流れてる。なだらかなくびれに締まった尻。その尻の間から、古橋のあれが出入りしてるのが丸見え。うは、悠ってばびしょ濡れじゃん。

「あらら〜、先に始めちゃったの」

買ってきたゴムを床に放り投げて古橋に突き上げられてる悠の肩を掴んだ。俺の存在に気がついて動揺してるのかそれとも古橋のが気持ち良くてなのかは分からないけど、目が泳いでる。ゴムのパッケージを乱暴に引き裂いて中身を取り出す。その間に悠の上半身を自分に覆い被らせて後ろに入れやすいように尻をこっちに向けさせた。古橋って気が利くぅ。悠が必死に抵抗してるけど、一回目でかなり体力消耗してるから捻じ伏せるのは赤子を捻るくらい簡単。無防備な尻を掴んでピンク色の蕾に先っちょを宛がう。

「はい悠、力抜いて」

「―!」

「力んでる」

「逆に辛いだけなんだけどねー」

物凄い締め付けにやきもきして一回ぱちんと尻たぶを叩いて、悠が痛みに怯んだ隙に捻じ込んでやった。異物を飲み込んで震える悠を自分の胸に寄りかからせて手首を掴んだ。いきなり殴る元気だけはもしかしたらあるかも知れないし?念には念を入れて。それはさておき、悠の腰を掴んで動いてる古橋を見てふつふつと何かが沸き起こる。

「俺以外の入ってるって妬けるわ」

「前後交代と言ったのはそっちだろ」

「ん、まあそうなんだけどね」

実際そういうの見ちゃうと気が少し変わるっていうかね。そういうことだからなんとなく察してよ。古橋に適当に相槌をうちつつも、つるんつるんのソコから目が離せない。俺が剃ったんだけど、やっぱりこうして見ると、ね。苛めたくなるでしょ。

「せっかく剃ったんだし」

「!」

「ここ弄っちゃお」

「や、やめ そこやめて」

後ろから前に手を回して、女の子の体の中で一番敏感なところに指を這わせた。つるつるだから遮るものは何もない。ふにふにと柔らかい肉を左右に広げて、出っ張ったしこりを指の腹で撫でると悠の体が撓った。ピンクのしこりが指の腹で形を変える度に、背中がピンと反り返ってる。ぐりぐり容赦なく弄ると後ろもきゅーんと締まってきた。それなのに爪先で踏ん張って俺の手から逃げようと必死に体を捻ってる。そんな格好したら繋がってるところが古橋に丸見えじゃん。

「逃げちゃだめだってば悠」

「い、っ!あ あっ」

爪で引っ掻くと、さっきよりも激しい反応を示す。掴んだ腕が力んで震えて、隙間なく密着した肌が粟立ってて凄く感じてるのが見て取れる。ひひ、乳首までびんびんに勃ってるし、口じゃ反論ばっかだけど体の反応は素直で従順で可愛いもんだ。今度スる時はここばっか弄ってイかせてあげよっか?

「悠、気持ちい?」

「―、っ」

耳元で問えば、息を殺して首を左右に振る。こんな善がってて気持ち良くないなんて意固地だなあ。

「嘘吐け、漏らしたみたいになってるけど」

「や、っ  ん、やだあ」

しこりを嬲ればその分、悠の体は素直に反応してどんどん色っぽくなっていく。いつものツンツンして自分の領域に立ち入らせない様子を見てるから、こんな風に徐々に陥落していく過程は堪らなく興奮するね。なんて悶々と考えてたらいきなり悠が悲鳴を上げた。

「あっ  、!」

「喋ってる暇があったら動いたらどうだ」

「わー、ムカつくねその言い方。人が自分の彼女を言葉責めしてるのがそんなに気に食わない?」

「別に」

「ひ、」

前後から腰を掴まれてあからさまな怯えの声を悠は漏らした。増した性欲の矛先が自分に向いたのを察知したらしく、体が震えてる。ちょっとひり付くような雰囲気になった腹いせだよね。まあ悠はちっとも悪くないんだけどね、状況が状況だから。小さな愛撫に過剰に反応しちゃうから、これ以上されたらどうなっちゃうんだろうね?



いつの間にか抵抗どころか喘ぎ声も上げなくなった掛川だが、動けばそれなりに反応する。気を遣っても、こっちが容赦なく動き続けると目を開けて弱々しく掠れる声で啼くし、中を突けばきゅっと収縮して痙攣するように搾り取ろうと動く。

「っ、あ  ん」

「悠、まだ、イけるんだ?」

「は、や、やだ」

「の、割りには、動いてる」

忙しく動く結合部の襞の感触を味わいながら奥に自分のそれを押し付ける。と、掛川は顎を仰け反らせて耐えつつ心底「勘弁して」と言いたげな表情でこっちを見ている。曝け出された陰部の頂点をぐにぐにと親指で捏ね回せば、声にすらなってない吐息だけの悲鳴を上げて四肢を硬直させてまたイった。それが面白くて下腹部に手を伸ばしたが、微かに「もうやめて」と言って手を押し退けた掛川はそのまま眠るように意識を飛ばしてしまった。

「ヤり過ぎちゃった」

「みたいだ」

周りに使用済みの避妊具が散らばっているが、行為に夢中で視界に入って来なかった。

「起きたらすっげ怒られそう」

「楽しそうだな」

「自分の彼女って何しても可愛いじゃん」

滅多に笑ってくれないけど笑えば可愛いし、どっちの意味でも泣いてくれたらそりゃもっと可愛いし?だから怒っても可愛いんじゃん。のろけながら原は、萎えたものに垂れ下がってる避妊具を無造作に外して口を縛ってゴミ箱に放った。そして、熟睡している掛川に覆い被さって下の口を押し開いて指を捻じ込んでまだ濡れてる、と呟く。まだヤる気なのか、お前は。性欲旺盛な原を横目に行為が始まる前に掛川に「要らない」と無碍に払い除けられたペットボトルの水を口に含んだ。


20130519
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