骨の音
※腹黒彼女(if設定で古橋の彼女)
※古橋の死んだ目で見下ろされながら蹴り転がされてぐりぐり踏まれたいというありすさんのツイートでガタンッ(゜д゜)キタコレ!!ってなったので書きました。ありすさん、ありがとうございます!
※DV古橋


「聞いた通り凄い二面性だな」

こんなときに脳裏を過ぎるのはいつぞやだったか、古橋が放った言葉。優等生の皮を被って人を見下してたけど、そんなことアンタに言われたくない。二面性があるのはアンタだって同じじゃないの。

「考え事か」

「ぐっ…!」

床に突っ伏していると、頭上から声がした。その途端、肩を踏みつけられて息が詰まる。じっとりと、徐々に体重がかかり骨の髄まで響く痛覚。じわじわ侵食して効いてくるそれは、心底堪える。古橋は煙草の火を揉み消すかのように、私の肩を弄ぶ。肩がフローリングに押し付けられて擦れると、骨が軋んでゴリゴリと、体の中と外から音がする。

「痛、…ぅ 、」

抵抗も反抗も反撃も試みた。隙を見て何度もやろうとした。踏みつける足を払って感情が汲み取れない顔目掛けて一発。結果は同じだった。手も足も出ないし、歯が立たない。結局足蹴にされて私は床の上を這い蹲るだけ。枷が付けられたみたいに手足が重い。まともに膝も手も着くことが出来ない。平衡感覚もなくなってくるのと同じくして頭も働かなくなっていく。

「起きてるか」

「―、」

この状態で寝れるとでも思ってるのか、お前は。うつ伏せになっていた私を小突いて仰向けにしながら古橋は言った。

「不満そうだな」

「当たり前」

「その割りには受け入れてるよな」

「は?」

「初めからこうなることを、分かっていながらどうして」

沸々と湧き上がっているはずの怒りも、体を圧迫されるうちに霧散していく。無駄なこと、意味のないことだから忘れてしまえと、考えが過ぎる。このまま詰られ続けることを受容せんとしている自分と、それを跳ね除けようと葛藤している自分の二人がいるらしい。古橋の思いのまま体を嬲られるのを良しと出来るものか。そう思いながらも体は全く言うことを聞かない。鉛の手足はピクリとも動かず、五臓六腑まで重苦しい。古橋が、私の胸倉を掴む。それをただぼんやりと眺めることしか出来ない。思考も平衡感覚も反抗心もすっかり奪われて、私は頭陀袋宜しく転がってされるがままになっていた。


骨の音
(軋み、砕ける)


ぐったり脱力しきっている悠の服が肌蹴ている。ところどころにある痣はいつのものか。俺が作ったのか部活で出来たものか。乱れた黒髪の隙間から視線が突き刺さった。冷めた目付きと声で悠は、抑揚なく突き放す。

「アンタの掌の上で良いように転がされてるだけだと思うなよ」

威勢良く口答えする頭陀袋はいつになったら屈服するんだろうか。未だ抵抗する気はなくならない。接触が続く限り歯向かって来る気なんだろうか。邪魔くさいな。腕を踏みつけると、皮膚越しに生々しい感触が伝わってくる。その痛みに悠は顔を歪めて呻いた。


蹴り転がす見本を下さい。
2013120
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