甘いそれに貪りつけ
※陽泉マネージャー
※寮生
ドアの前に壁のように立っていたのは後輩だった。
「悠ちーん、ちょっと質問」
「なに?」
部屋までわざわざ足を運んでなにを聞くかと思えば、敦が手にしていたのは古文のテキストだった。意外なその組み合わせに少しばかり面食らった。
「今日やった単元でわかんないところあったから教えて」
「私が?氷室は?」
「室ちん、古文は専門外だって」
「私もそこまで得意なわけじゃ…」
「去年の選択科目で古文取ってたって聞いたよ」
「喋ったな、氷室」
古文は好きだけど、まさに「下手の横好き」なだけであまり成績は芳しくない。頑張っても3以上の評価は得てない。まあいいか。敦にそれを知られても、別に困ることじゃないんだし。我が物顔で部屋に入り込んでくる敦は、あれ、と首を傾げた。
「相部屋の人は」
「外泊。部活の遠征だか、合宿だかで4日くらい」
「ふーん、じゃあ悠ちん、しばらく一人なの?」
「そういうことになるね」
どうしてわざわざ改めて聞いてくるの?テーブルにテキストを放って、どかっと座り込んだ敦は適当に相づちを打って返事をしない。向かい合って座って、私にわかる単元だといいんだけど、と独りごちた。
「で、どこかわからないの?」
「んーっとね」
おもむろに立ち上がって敦は言い淀む。私はその間に電子辞書とテキストを持ち出して顔を上げた。
「よいしょ」
向かい合うようにして座っていたはずの敦の声が背後からする。あぐらをかくような体勢で、私はすっぽりと敦の腕の中に収まってしまっている。腰に回った腕、肩口辺りに頭が乗せられた感触。抱き枕か何かの代わりなの?
「どうしてこういう体勢になってるのかな」
「いや、これが目的だし」
「…わからない単元は?」
「口実」
「あ、そうなの」
じゃあこれ必要ないのね。電子辞書諸々をカーペットに置いてテーブルに肘をつく。別に苦しいわけでもないから、されるがままにしていると、服の上から大きな手が捜し物をするようにまさぐり始めて胸の辺りで動きを止めた。
「ちょっと、」
「…なんかすかすかする」
「このブラちょっと大きくて え、」
胸元が軽くなったと感じたのはほんの一瞬、シャツの裾がめくられて、直に敦の体温を感じる。サイズのあってないゆるいブラの隙間からするりと滑り込んだ手は私の胸に添えられた。1mmの隙間もないほどしっかり、みっちりと密着している。
「え、あっ、?」
「あ〜、マシュマロみたいだね〜」
柔らかい、と揉み始めるのはその直後だった。狭い下着の中で器用に一カ所を摘んでこねる。
「あ、あつし、まって」
制止の声にも、胸を包む手を服の上から押さえても変わらずそこを弄くり続けている。
「んっ」
どうしよう。敦の手をふりほどこうとしたら下着を丸ごと外すはめになってしまう。どうしよう、どうすれば。
「悠ちん」
手を外して、そう訴えようと顔を上げる。でも敦の目と視線がかち合った瞬間に、出るはずだった言葉は別のそれにすり替わった。
「勃っちゃった」
「へっ」
敦の目が、艶っぽく、私を見下ろしていた。
*
別にするつもりはなかったんだけど、成り行きで体が反応してしまった。生理現象だから、どうしようもないし、こうなったらするのが素直だと思うんだよね。テーブルに上半身を押しつける体勢で悠ちんを倒して、スカートを捲り上げる。パンツを下げるのも面倒だからその部分だけをずらして、無理矢理に押し込んだ。
「っー!」
「はあ、」
慣らしてないから先っちょだけでそれ以降はつっかかって進めない。足を強引に開かせて腰を上げさせて更に奥まで突き刺すと悠ちんの口からちょっと悲鳴に近いそれが漏れる。
「あっあ、 あっ」
「悠ちん、痛い?」
「だいじょ ぶ、 でも、ゆっくり」
お願い。ぬるぬるじれったい動きでかき混ぜると背中と腰、足がひくりと一瞬痙攣する。亀の歩みより遅い動作の度、繋がってる部分に布がひっかかって少し邪魔くさい。
「よい、しょ」
「んっ!」
白い尻たぶを掴んで左右に割れば、いくらかは動きやすいかな。入っていくところを指で広げる。そうすると、悠ちんは恥ずかしそうにする。その割に、声色は悦んでいるようだった。指先でもなんとなく、嫌ではないらしいことが伝わる。
「ひ、やだ、っ それやめてっ」
「ん〜〜、やだ」
大袈裟にじゅぼじゅぼと音をわざとらしく立ててみると、きゅっと締まる。満更でもないんじゃん、これ。ずらしただけのパンツはぐっしょり濡れて色が変わっていた。
「あっ、ん、…ん」
ゆっくり動きながら、ようやく根本までずっぽりと収まってしまえば、中に隙間はない。でも中でイイところを突かれると締め上げるからぬめりに任せて少しだけ押し出される。そうしたらぬめりに任せて強引に、無理矢理押し込んで悠ちんの中を蹂躙する。この強引さが好きなのか、その瞬間、揃っていた足の指先がふわっと開く。それとは逆に、搾り取るように収縮する。
「これ、気持ちい?」
「ん、あ、すき 」
腰を上から押しつけて好きだといったその動きを執拗に繰り返す。最奥をぐにぐにと擦って潰して、突く。いやらしい擬音が聞こえてきそう。動きに合わせて不規則に収縮して、ああ、なんか、やばいかも。
「あっああ、あ はっ・・・」
「うっ」
足が震えて、背中が反った。不自然な痙攣の仕方と灼けるような締め付けに悠ちんがイったのを確認する。耳まで色づいて、肩を微かに震わせて継続して締め付ける。締め付けの強いところを盗み見ると、赤く熟れたそこが俺のをしっかりくわえ込んでいる。
「悠ちん、パンツびっちょり」
「もう、あつし、ばか」
俺まだだからもうちょい動くよ、と忠告したあと腰を掴んでガツガツ貪った。揺さぶりに体が持っていかれないように必死にテーブルにしがみついて、悠ちんは鳴いて腰を戦慄かせていた。
20150531