Let's! | ナノ



登校してきた生徒達で騒がしい下足場。自分のロッカーを開けると、そこには一通の手紙が。キレイに封筒された白い手紙を手に持つ。もしかして、これはいわゆるラブレターというやつでは…!


なーんて期待はしない。




「またか…、」




はぁ、と一つため息をついたあと手紙を開けると、バーカと殴り書きで書かれた文字が目に映る。ぐしゃっと勢いよく握り、上靴に履きかえた。向かう先はもちろん自分の教室。階段を時々一段とばしで乱暴にのぼったあと、教室の扉もまた乱暴に開けた。うるさい音が教室に響く。




「狩屋くん!またこんなイタズラして!」




大声で怒鳴ったのでその場にいた全員の視線が私に集中する。しかしそれは反射的なもので、一回見たらみんなそれぞれ自分の世界に戻った。それもそのはず。こんな光景は日常茶飯事なのだから。




「ほんっとに毎日毎日飽きないんだから…!」
「ただの暇つぶしだっつーの」
「その暇つぶしに付き合わされる私の身にもなってよ!」
「あーかわいそー」




椅子にもたれかかりながら、頭に両手をそえて棒読みでそう言う狩屋くん。全然反省してないなこいつ…!確か最初の被害者は霧野先輩だったなーと狩屋くんを睨みながら霧野先輩に同情した。




「おはよう!」
「あ、天馬くん。おはよう!」
「今日も神崎は狩屋と仲良しだね」
「ど、こ、が!」




いっつもイタズラされて迷惑なの!と関係のない天馬くんに狩屋くんに対する文句を早口で並べていく。「人の悪口言うなんて神崎サイテー」「原因作ってる狩屋くんの方が最低でしょ!」ギャーギャー言い争っている私と狩屋くんに、天馬くんは呆れた表情を向け「やっぱり仲いいよ」と小さな声でつぶやいた。




デイ・バイ・デイ







20120128