仲いいよね、圭華と狩屋くんて!
こんなセリフは一体何回言われただろうか。少なくとも、一週間に一回は言われてる気がする。仲が悪いってわけじゃない(狩屋くんがどう思ってるか分からない)けど、仲がいいときっぱり言えるわけでもない。
「あんなに話してるのに?」
「部活もクラスも一緒だし、しかも隣の席だし、話さない方がおかしいでしょ?」
「でも楽しそうだよね、二人とも!」
「…葵ちゃんにはそう見えるの?」
楽しそう?散々言い争っているのに?いや、楽しくないわけでもないけど。あれ、何かさっきから矛盾ばっかりしてないか、私。
「てゆーか、私さ、」
「なに、葵ちゃん」
「二人って好き合ってるのかと思ってた」
葵ちゃんの衝撃発言に一瞬フリーズする。「えええええええ!?な、なななな何言ってるの葵ちゃん!ないない!絶対ない!すっごい勘違い!」声を張り上げてそう言えば、うるさいと額を軽く叩かれた。
「どこを見てそう思ったの…」
「雰囲気?」
「あれのどこが」
葵ちゃんの目絶対おかしい。眼科行くことすすめるよ。真剣に。「圭華は好きじゃないの?狩屋くんのこと」唐突な葵ちゃんの質問に、私は喉をつまらせた。え、だって狩屋くんとはそんな関係じゃないし。友達ってよりも仲間って感じだし。
「いや、特に何も」
「本当に?」
「あ、でも最近けっこう優しいんだなって気付いた!」
そうなんだよね、狩屋くんて実はけっこう優しかったりするんだよね。口が悪いのには変わりないけど。
「でもだからって好きってことは…」
「…まぁ、圭華が否定するならこれ以上言わないけど、」
「…うん」
「圭華も素直にはなりなよ!」
可愛い笑顔して、葵ちゃんはそう言う。素直って?そう質問するのは、なぜだか出来なかった。
パステルカラーの惑星が笑う
20120203