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  寒いねー。そう言って巻いてあるマフラーに顔をうずめた。確か今日はこの冬一番の冷え込みだと、天気予報のお姉さんが言ってたなぁ。冷たい風が横を通り過ぎる。反射的に背中を丸めて少しでも寒さをカバーしようとした。うん、無駄な努力ってことは分かってる。




「本格的に冬って感じだね」
「もう一月だしねー。ほんと寒いよ」
「名前寒いの苦手だしね」
「うん。極度の寒がり」




  よしよし、と慰めるかのように一哉が私の頭を撫でる。「鼻赤いよー」そう言う一哉の鼻だって、赤くなってるけどね。笑いながら一哉に言ったら苦笑いをした。この寒さだもんなー、なんて思いつつ、はぁと息をはくと白くなって消えた。




「早く春にならないかなー」
「うーん…」
「あれ、一哉は春になってほしくないの?」
「んーそういう訳ではないんだけど…」




  不思議に思って一哉へ顔を向ければ、手に違和感が。視線を下へ下げれば、一哉の手が私の手を握っていた。あったかい。私の手が冷たいからなのか、一哉の手があったかいからなのか分からなかったけど、確かに温もりを感じた。




「寒かったら手を繋ぐ口実出来るから」
「か、か、一哉…」




  笑顔の一哉と違い、私は顔が赤くなっていく一方だ。冷たい風でこの熱を冷まして下さい。なんて数分前の自分と違ったことを冬にお願いした。









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夏よりも冬が好き!


20120115



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