セカンドミーツ | ナノ

授業終了のチャイムが鳴り響き、私は自分に喝を入れる。よし、お父さんとお母さんに会って何とかいいように助けてもらおう。部室に置いてあった机にちょこんと座っていると、外から足音が聞こえてきた。聞こえてきたと思ったら、私のいる部室のドアが開かれたのだった。




「…っ、だ、誰よあなた!」
「おっ、おかあ…さん?」
「お母さん?!何を言ってるのよ!」




現れた人物に一瞬戸惑うも、これは最高のタイミングかも!と思いお母さん……雷門夏未の手を引っ張って外に連れ出す。ものすごい反発してくるけど、そんなことおかまいなしだ。いやー、一瞬あせったけどまさかお母さんが一番に来てくれるなんて!しかも一人で!もしかしてこれって以心伝心じゃない?!と親子の絆(知らないけど)に感動して私は部室の裏に連れ込んだ。「何なのよあなた誰よ!」今でも怒ると怖いけど昔はけっこう気が強かったんだなぁとまじまじ見ているとついには睨まれた。お母さん怖い。




「あっあの実は、信じてくれないかも知れなけど…私あなたの子供なの!」
「……子供?私の?」
「そうなの!私が存在するのはずっと先の未来で、でも車とぶつかって時に何でかこの時代に来ちゃって、それで家もなくて困ってて…」
「ちょっと何を言っているのか分からないわ…」




うわ〜!ドン引きしてるよこの顔!不審者を見るような目で私を見てるよこの人!「お願い信じて!」お母さんの手をぎゅっと握り、真剣な眼差しで見つめた。




「信じろって言われても…」
「ほら私の顔見て!自分と同じDNAを感じない?」
「分からないわよそんなの!」




ああもう!お母さんとお父さん、顔の系統全然違うし、そういえば私は昔からお父さん似って言われてきたけど!!……っていうか中学生のお母さんすっごい美人じゃん。よく友達とかに名前ちゃんのお母さん美人〜って言われるけど、この時からこんな美人だったの。ていうかどうして私とこんなに違うの。ってああ!そうじゃなくて!




「じゃあ特別に教えてあげるよ。」
「な、なにを…」
「お母さんはね、将来、円堂守と結婚するんだよ」
「っ?!」
「つまり私は、未来のあなたと円堂守の娘!」
「なっ、なっ」




ふふふ、前にチラッと二人の話を聞いたことあるけどやっぱりお母さん中学の頃からお父さんのこと好きだったんだなぁ。あっでも未来のこと何でもかんでも話ちゃうのってちょっとまずいんじゃ…。




「……でもこれ、私とお母さんだけの秘密ね!誰にも言っちゃダメだよ、お父さんにも。」
「言えるわけないでしょ!」




ふぅと息を吐いたお母さんがまっすぐ私を見つめた。「…本当に未来からきたの?」私も真剣な顔をして、ちょっとつり目のキレイなお母さんの目を見つめる。「うん。本当だよ、お母さん。」しばらくの沈黙の後、ざわざわと話し声が近付いてくる。




「みんなが来たんだわ」




そう言った後、私にここにいるよう指示をしたお母さんはみんなの元へ行った。そのみんなにはもちろんお父さんも含まれている。盗み聞きをすると、どうやら今日の部活は休むと言っているっぽい。私と同じ中学生でも、やっぱりお母さんはお母さんだなぁと思う。部員達が部室に入ったのを確認した後、お母さんは私の元へ再びやってきた。




「とりあえず、私の家に行きましょう。」




その言葉と同時に差し出された手は、私が大好きなお母さんの温もりと同じだった。





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