セカンドミーツ | ナノ





お父さんこと円堂守に強引に校舎に引き込まれた私は、呆然と立ち止まっていた。ここは私の知ってる雷門中じゃないしだから教室とか分かんないし!!!




「なんでなのほんとに!ここどこ?!」




パッと目についたのは掲示板。学校の新聞とかが乗っている。イナズマジャパン世界一!という文字がでかでかと載っており、端っこに書かれている日にちを見るとなんとびっくり。「…っえ、えええ?!」その日にちはかなり昔で、ていうか私がこの世に生まれてもいない年のわけで。再度パニックになった私は食い入るようにその記事をみる。写っているのは確かに私のリビングに飾られている写真に写っている人達で…。




タイムスリップという単語がふと頭を横切る。ないないないないと全力で否定しても、目の前にある日付に現実を思い知らされる。壁と額をくっつけて、必死で現実逃避をしていると不意に後ろから声が。「そこでなにしてる!」やばい先生だ!見つかったらやばいと思い、走って校舎を飛び出した。校舎を出たところで何処にいけばいいのか分からなくて、キョロキョロと周りを見渡したら目についたのはとある部室。ここに隠れよう!と思い勢いよく中に入る。




「…とりあえず冷静になって、と。」




今日は寝坊して焦って家を飛び出して、そしたら車に引かれそうになって…。ていうか引かれたと思ったら引かれてなくて、そしたらそこで私と同い年くらいのお父さんと出会って。雷門もなんだか違うし、パニックになって今はここにいる。ってことだ。とにかく状況を把握しようと思い辺りを見渡す。真っ先に目に映ったのは、見慣れた写真。




「この写真、あの写真だ…」




よく見ると周りにはサッカーボールがあり、ここかわサッカー部の部室だと言うことはすぐに分かった。あの写真とはそう、私の家に飾ってある写真のことだ。じゃあやっぱり今私がいるのはお父さんとお母さんが中学二年生の時代…。こんな事って実際にあるの?と信じたくない気持ちでいっぱいいっぱいだったけど、今までのことからこれが現実だと思い知らされる。時間が戻ればいいのになぁなんて何回も思ったことあるけれど、本当になったらなったですごく困る。しかも戻りすぎだし。助けてお父さんお母さんと心の中で強く願っても、私の時代には決して届かない。




これからどうしよう、と悩みに悩んで出した答えは"この時代のお父さんとお母さんに助けてもらおう"だ。本来ここにいるはずのない私が誰かと関わっていくのってまずいことなんじゃ…、なんてことも一瞬頭をよぎったけれどもそんなの知るか!絶対にどうにか戻れる方法を見つけて絶対に帰るぞ!!




「待っててね!お父さん、お母さん!」




懐かしき日の写真に向かって私は強く決意した。







「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -