セカンドミーツ | ナノ




「………あれ?」




今まで反射で閉じていた目をあければ、車どころか私の周りにはあるであろうはずの血もなくて、っていうか何も痛くないしケガもしてないし。「……天国?」そう思って周りを見渡しても確かにそこはいつもの信号だった。




「車に引かれたのに…なんで?!」




容量の少ない頭で必死に考えていると不意に感じる視線。……って!私こんな道のど真中ですっごい邪魔じゃん!焦って渡り、一つ深呼吸。えーーーっと、確かに私は車に引かれたよね?もしかして夢?じゃあ今私は寝てるの?よーし頬をつねってみよう!




「……いひゃい。」




そりゃそうだよね!だってリアルすぎたもん!あっもしかして中学二年にして超能力に目覚めたとか?!おかしいとは思ってたんだよね〜、あの超特別な親からこんな平凡な子供が出来るわけないしね!超能力の一つや二つくらい使えて当然……「ダメだ冷静になれ円堂名前。」とにかく私は生きている!何でかは分からないけど、生きてるんだ喜べ私!




「あれ?あの制服って…」




肩にイナズママークがついた制服を来た男の子が必死に走っている。あれって雷門のマークだよね?でもなんか色が違うような……。




「あっ!そういえば学校!」




思いだしてふと我にかえる。前の制服を来た少年の後を追うかのように私は駆けていく。やっぱり方向一緒だし、なにあの制服新しいバージョンとか?そんな話し聞いたことないけどな〜。なんてことを考えたら学校についた。……ついたけど。




「なにこれ!違う!」




私の知ってる雷門はもっと大きくて、綺麗で…。思わずあげたその声に、前の男の子が反応したのか振り向いて目があった。反射的に私も目を合わせてしまい、その男の子はきょとんとした顔で私をみる。私は思わず息をのむ。そして私は本能的に感じたのだ。この男の子のことを私は知っている、と。




「何してるんだ?もうすぐチャイムが鳴るぞ!」
「……あ、あ…」
「…?どうかし」
「あっ、ああああああ!!!!」




私の馬鹿でかい声にその男の子肩を上にあげた。びっくりした顔でこっちを見ている。けど、けど、けど!驚かすななんて言われたって知らない。だってこの男の子は、私の家のリビングに飾ってある写真の男の子にそっくりなんだもん。あの写真の中央にいて、無邪気な笑顔で笑っている、そう。子供の頃のお父さんに!!!!




「なんで?!なんでなんで、どうしてそんな幼いのお父さん!元から童顔だけどどうして!」
「お、おとう…?」
「私だよ!名前だよ!」
「名前…?」




丸い目をさらに丸くさせてお父さ……円堂守は私を見つめる。私はというと、もうパニック状態で何が何だか分からないしつーかなんで昔のお父さんが雷門の制服来てここにいるの誰か教えて。ぐるぐるぐるぐると考えを張り巡らしているし、円堂守は気づいたかのように「あっ!」と言葉を発した。




「もしかして転校生か?思えば制服違うし!」
「はい?」




私が間抜けな声を出したと同時にチャイムが鳴り響いた。やべっと円堂守が呟いたと同時に手を思い切りひっぱられ走っていく。なになにこの展開。もうわけが分からなくて、ひっぱられるがままに着いて行くしかない。「ここ真っ直ぐいったら職員室だから!じゃあまたな!」ある処でそう言った円堂守はダッシュでその場を去って行った。




「……もうわけわかんない。」




神様、私はどうしたらいいのでしょうか?






人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -