セカンドミーツ | ナノ




「も〜!どうして起こしてくれなかったの?!」




バタバタと階段を駆け降りて、私はリビングにいるお母さんにそう投げかける。テーブルに置かれているパンにかじりつくと、お母さんが少し怒った顔で私に言う。




「何回も起こしたのに、起きなかったのは名前でしょ!」




そんなお母さんの言葉をスルーして、私はテーブルに置いてあったパンにかじりついた。椅子に座ってのんきにコーヒーを飲んでいるお父さんは笑っていた。やばい時間ない、と焦って玄関へ向かうとお母さんの「お弁当!」という声。慌ててお弁当を受け取り強引にカバンにつめた。




「名前!気を付けて行けよ!」




お父さんが私の背中に向けてはいた言葉に、適当に返事をしてリビングを飛び出す。チラッと映ったお母さんの顔は、なんとまぁ呆れている顔。急いで靴を履き、乱暴に玄関のドアをあけた。




「じゃ、行ってきまーす!」































私の名前は円堂名前。雷門中に通うごく普通の中学生。特技なんて別にないし、どこにでもいる平凡は女の子。少し普通と違うところがあるといえば、それは私のお父さん。私のお父さんの名前は円堂守。超有名サッカー選手なんです。私の歳には世界一になり、さらにはそのチームのキャプテン。お母さんもお母さんで、元雷門中理事長の娘でいわゆるお嬢様。そんな二人の間に生まれた私はまあプレッシャーとかないわけないけど、とりあえず二人には愛されてるなぁとは思う。そんな感じで今まで生きてきた。






見慣れた信号はチカチカと点滅していた。やばいやばいこれ渡り切らないと絶対遅刻だ!スピードをあげて駆け抜けようとすれば、突如に頭にクラッシュ音が鳴り響く。うるさいなぁなんて思いながら、感じる時間の流れをすごくスローモーションで、、え、え!!






ああ、今日見逃した星座占い絶対最下位だ。なんてしょうもないことを考えてる場合じゃないのに。どんどん迫ってくる車に不思議と恐怖はなかった。というより、状況が理解できなくて、ただ頭の中にお父さんの気を付けて行けよっていう言葉が浮かんできたと同時に私は意識 が な く なっ た。





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