3
「はぁ、ここに来るのは兎たちに言ったんだよね??」
「詩織今日質問ばっかだなー。んと、言ってねぇよ」
「なんで!?あいつら置いてきてもいいわけ!?」
「ダメかもね。でもおれがずーっと一緒にいられるわけじゃないし、詩織ちゃんが嫌かなって…」
「…っ」


たぶん、いや絶対に言いきれる。わたしの居場所をあの二人が掴んだらどんなに無理な場所でも来る。
そうすればいろいろな人に迷惑がかかるし、わたしの両親…主に父から言われる言葉は想像しやすい。


凛は無駄に気が回るから、配慮してくれたんだろうな。


「よけーなお世話だ、ばぁか。…まあ、礼を言わないこともないけど!!」
「典型的wwwツンデレwwwwwww」
「誰がツンデレだっ!!」


あーもう、こいつはいっつもいっつも!!



コンコン


「詩織??お話は終わりましたか…??」
「!!え、とあの…うんっ!!いおちゃ、ありがと…っ」
「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


わたしは一瞬で凛に向けていたイラつきを抑え、伊織にふにゃりと気の抜けた笑顔を向けた。


笑ってんじゃねぇよ!!


「ひぃwwwwもうwwwむりwwwwwwwww」
「凛…ちょっと、黙って…くれる…??」
「ぐふぅ!!!」


迷わず腹パンを決めて地に沈んだ凛を踏みつぶして伊織の元へ走る。
走るって言っても大した距離じゃないんだけどね。


「あの方大丈夫なんですか…??」
「へー、き。いおちゃは…気にしなくて、いいよ」


にこりとほほ笑むと伊織は頬を真っ赤に染めて蹲ってしまった。
「天然って恐ろしいですわ…っ」って聞こえたけど、わたしは天然じゃないよ??


「ご、ごほん…っ。少々取り乱しましたわ、申し訳ありません」
「だいじょう、ぶ??」
「…っ、大丈夫ですわ!!詩織の愛らしさに心打たれてしまっただけですので!!」
「わたし、可愛くなんて…ないよ…」
「いえいえ、詩織は国宝級の愛らしさですわ。私が保障いたします!!」


ぎゅうぎゅうに抱きしめられて苦しいけど、やっぱり嬉しい。
わたしも抱きしめ返すと伊織は恋する乙女のように頬を染めながら柔らかく微笑んで…。



大好きな親友は誰よりも美しいんです


(二人さんおれのこと忘れてねぇ…??)
(あれ、凛…いたんだ)
(泣くぞ!!)
(泣けば、いいよ??)



*<<
TOP
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -