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なんだろう、と思って廊下に出たのがそもそも間違いだったのかも知れない。「好奇心は猫をも殺す」この諺をわたしはなんで忘れてたんだろう…。


このとき廊下に出なかったらまだ逃げれてたかもしれないのに!!



「あ、しおたん」



一目見て惹かれる橙色の髪と同色の瞳。わたしが言えたことじゃないけど華奢で小さな体躯。太陽みたいに輝く笑顔。フリルをふんだんに使った所謂甘ロリと呼ばれる服装に身を包んだ少女。


その少女は、にこやかな笑顔でわたしのほうに向かって抱きつこうとしてきた。


「しおたんひっさしぶりぃ!!相変わらず可愛いんだからぁ!!」
「…わたしに触れんな、馬鹿凛んんんんんんんん!!!!」


周りにたくさん生徒がいるのにも関わらず思わず思いっきり回し蹴りをしてしまった。


あぁ、わたしの残り少ない学校生活オワタ\(^o^)/



***
そして話は冒頭に戻る。
え、戻ってないって??橙色の少女、詳しく言えば甘ロリに身を包んだ少女にしか見えない男子中学生。


名前は九条凛(くじょう りん)。わたしと六年間一緒に行動した知り合いというか腐れ縁というか、まあ三バカのうちの一人だ。


「詩織ちゃん急にいなくなるんだもん。兎ちゃんたちもさみしくてみぃみぃ泣いてたよ??」
「…おまえが真面目になるとか本当に気持ちわりぃ」


因みに今わたしがいる場所は使われていない教室だ。ここなら誰も来ないし、素を出してもあまりツッミをいれられないと思う。


別にわたしは普段からこんなに荒い口調じゃない。この三年生という微妙なタイミングで隠してた居場所を今さら見つけやがった凛にすこーしイラついてるからなんだよ。


「なんでわかったの??わたしどの中学に入るかとか言ってなかったはずだけど」
「そりゃねwwwじゃなかったらこんなに時間かかってねぇっつーの」
「…兎たち、泣いてたんだよね」
「おー、やばかったぞ。二人ともぎゃん泣き。流石のおれでもわらえねーよ」


兎というのは三バカのうちの残り二人のこと。
黒い方と白い方がいる。この二人の紹介はのちのち!!


「凛が笑えないとか地球滅ぶんじゃない??」
「wwwwwwwwwwwwおれwwwなんだとwwww思ってwwんのwww」
「笑い上戸」
「まwwwがwwwおwww」


美少女(中身男)が大爆笑(異様に似合っている甘ロリ)しているのを眺める真顔のわたし(転生とかやっちゃってる系主人公)。



あれこれなんてカオス??



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