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side跡部


「そろそろ休憩だ」
「なー、天城院。あいつマネ業したことあんの??」
「昔少しマネージャーのお手伝いをしたことがある、と以前言っていましたわ」
「そんな風には見えないがな」
「跡部様、少し口を閉じてくださいませんか??詩織はそこら辺のド三流シェフと違って料理、家事は完璧なんですわ。特にオムライスなど、絶品すぎますわ!!」


顔を朱に染めながらうっとりとする伊織に、寒気がする。
彼女が溺愛している少女の作ったものなら例え想像を絶する味でも何よりも旨い食べ物になるんじゃないか…。


伊織に殺されるかもしれないがあの少女、日吉詩織に対して期待はしていない。どうせ他の女子生徒と同じように俺達レギュラー陣の顔が目当てなのだろう。近づくな、と言うのも気を引きたいがための行為だろうと想像している。


「い、いおちゃ!!」
「あら…え??」
「もうす、ぐ休憩…だよ、ね??」
「え、えぇ」
「ん。味は、分かんない…けど。あとね、これ…使っても、よかったんだよ、ね??」
「…いいですけど、重くないんですか…それ」


よく言った、伊織。


ドリンクを持ってきた日吉(姉)は、大量のドリンクが入った籠を軽々二つ持ち運んでいた。女子として平均的な力を持つ現マネージャーですら一つ運ぶのが精一杯なんだぞ。見るからに小柄で腕も細い日吉(姉)が軽々持てるようなものでもない。


あとついでにその背負っているものからタオルを出してきやがった。どれだけ力もちなんだ。


「ぇ、あぁ。あんまり、かな。これでも…鍛えてる、んだから」


にっこりほほ笑む日吉(姉)に先ほど感じた時以上の悪寒がした。


ごとりとドリンクの入った籠をベンチに置いて立ち去ろうとした日吉(姉)に変た…ゴホン忍足が忍び寄った。何をする気だこいつ…。


「ファァァァァ!!」
「ぃ、やぁぁぁぁぁあああああ!!」


おした…ゴホン変態は勢いよく日吉(姉)に飛びついた。いや少し語弊がある。正確には日吉(姉)の足を舐めまわすように飛び付いた。
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