三成side
「三成、ちょっとで良いから食べろ」
「いらん」
「あのなぁ、人間は食べなきゃ死んじまうんだぞ?復讐も大切だけど、それ以上にお前の身体だって大切だろ?」
「秀吉様、半兵衛様の復讐以上に優先すべきものなどない。貴様とて分かっているだろう!」
椀に申し訳程度によそわれた粥を一瞥して、残りの文書に目を通す。
へにゃりと眉を下げ、情けない顔をしている慶次は秀吉様たちが生きておられた時より少しだけ痩せている。
相も変わらず、自分より他人の身体の心配か…。思わずため息を零してしまう。
ーーー俺はね、自分よりお前らの方が大事なんだよ。
あぁ、本当にコイツは救いようのない阿呆だ。自分がどれだけ豊臣軍に必要な人間かも理解せず私たちの世話を焼く。
その結果自分が傷つこうが、慶次にとっては些細なことなのだらう。
お前のその優しさに救われたものがどれだけいると思っている。
お前の笑顔はどれだけのものを幸せにしたと思っている。
お前が傷つくことを恐れる人間がどれだけいると思っている。
お前は、お前はどれだけの人間に愛されていると思っている。
私や刑部は勿論、豊臣軍全員の意思でお前の笑顔を守る。
そのためならどんな手段でも使ってやる。
貴様に笑んでもらう(それだけが私の生きる理由なのだから)(だから慶次の笑顔を奪う貴様は許さん、イエヤスゥゥゥゥウウウウウウウッ!!!!)
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