どのくらい時間が経ったんだろう。分からない。三成たちにはきっと忍が伝えてくれてるよな。
俺の口からは、言えないから。
降り続く雨のせいで、着物は濡れた所がないくらいだ。軽いはずなのに水を吸ってずっしりと重い。
これだけで分かるようにかなりの時間俺はここにいる。涙は、枯れても可笑しくないくらいに流した。声なんて枯れすぎて全く出ない。
「…っ!」
無防備、そう表現するのが一番正しい。俺の近くに太陽が現れた。
太陽は勿論比喩だか、これ以上ぴったりな表現はないと思う。
「…と、徳川…いえ、やす」
「うむ、久しいな慶次」
「ひ、久し振り…になるのか、な?」
ああ!
可笑しいだろ可笑しいだろ可笑しいだろ!?今俺がいるのは?
秀吉と半兵衛の遺体の隣。見ただけで遺体と分かるような損傷をしている二人の隣に座って泣きじゃくっていた。
見ただけで、分かるんだ。なのになんで?家康、おまえは
笑っているの?
「あぁ、驚かせてしまったな。それより慶次、お二人から離れたらどうだ?お前の着物が汚れてしまうぞ」
「はっ、忠告ありがとね家康。だけど、
だが断る!!俺的に家康、お前に近付くと汚れちまうような気がするよ。綺麗に落としたつもりでも、真新しい血の臭いがするぜ?」
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