すやすやと俺の膝で静かに眠る三成。その様子に小さく笑ってしまう。

(随分と懐かれたもんだよなぁ…)

俺はどちらかといえば人に好まれにくい性格なのにな…と不思議に思うが三成も最初は有り得ないくらいに俺の事を嫌っていた事を不意に思い出した。今じゃべったりとも言わないが、そこそこ甘えてきてくれる三成の幼少期を思い出そうと思う。
戦がないんだ。戦うしか能がない俺には時間はたっぷりある。

あぁ、三成だけを語るなんて出来ないな。今は少し席を外しているもう一人のやつ、刑部の事も思い出そう。

きっと有意義な時間を過ごせる、はずだ。


確か二人が豊臣に来たのは、まだねねが死んで間もない頃だったと思う。
あの頃はねねを守れなかった弱い自分を恥じていたし、秀吉と半兵衛以外信じる気もなかったからかなり他人に冷たかったな…。


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「慶次くん、ちょっといいかな?」
「…なに。俺、今から鍛練なんだけど…」
「まぁまぁ、そんなこと言わないでよ。秀吉も待っているから早く行くよ」
「俺に拒否権はないわけ?」


明らかに怪しいと言えるほどの笑顔で話しかけてくる半兵衛。多少の強引さはあるが、まぁ嫌いではない性格をしている半兵衛がこうやって笑顔なのに黒く見えるのは俺にとって最悪とも言えるトラブルを持ってくるときくらいだ。

…結構イケメンなのにな。勿体ねぇ…。

なんてことを頭の片隅で考えながら半兵衛の後について歩く。
今回はどんなトラブルだろうか…。半兵衛の考えは俺には理解不能なんだ。

…俺が馬鹿なんじゃない、半兵衛が賢すぎるだけだ。



「秀吉入るよ」


秀吉の部屋につき、嫌な予感は的中した。見知らぬ気配が二つ…面倒臭いくらいに弱い弱い気配。

「きさまはだれだ!!」
「ヒッヒ、豊臣どのの兵士であろう」

部屋に入ると見たことのない子どもが二人、俺を睨み付けていた。

一人は特徴的な髪型をした銀髪の子ども(思わず昔に好んで食べていたものを思い出した)。
もう一人は、なにかの病気なのだろうか?目の色が通常とは異なり、白黒反転していた。
銀髪も白黒反転した目も気にする必要性はないが。

また随分と手懐け難そうな餓鬼を拾ってきたものだ。

「…はんべー、見たから俺…帰ってもいい?」
「僕が許可を出すとでも」

きゃー黒い半兵衛様のお出ましだぁ…。やだやだ、半兵衛ったらどSなんだから。

うん、俺痛いな。


「俺、餓鬼嫌い。餓鬼の世話とか絶対できねぇ、半兵衛が拾ってきたんだから半兵衛が世話すりゃ良いじゃねぇか」

それなりに付き合いが長い半兵衛の言いたいことなんて手に取るように分かる、分かってしまう。
考えは理解不能だが、目の前にいる餓鬼を見て理解した。

「やだなぁ、慶次くん。出来るなら君を呼んでないよ、ねぇ…?君にこの子たちの世話を頼むよ、良いだろう」


疑問符をつけて、お願いだから!


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