依存と共存 | ナノ






あの後、火神くんと別れてテツヤくんと少しお話する。


「ん、ココアでも良かった??」
「あっ、ありがとうございます。お金…」
「いーよ、このくらい。後輩は先輩に奢られときなさい」


甘いココアを二人で啜る。
少し暖かくなったとはいえ、まだまだ夜は冷えるね。


「ごめんね、みっともないとこ見せて…」
「いえ、ボクが弱かったから彼を怒らせてしまいました。だから月先輩は悪くないですよ」
「あははっ、相変わらずだね。テツヤくんは強い弱いで判断するタイプのプレーヤーじゃないじゃん。そーいうのは、私くらいのレベルがいうことー」
「…月先輩は上手いと思いますけど」
「下手だよ。少なくとも他のレギュラーよりは。努力してんのになぁ…」


ココアの缶を握りしめて俯く。


「でも、負けず嫌いだから…。諦めらんないんだよねコレが!!」
「…変わったんですね、本当に」
「バスケは好きだよ、大好き。でもそれ以上に後輩が大好きなんだよ。もちろんテツヤくんも彼もね。だからそれを傷つける人はね、許せないんだよ。誰になんと言われようとも…私は彼ら『キセキの世代』をぶっ潰す」


そのためにマネージャーなんてやってんのよ、と目を細める。


「倒す、じゃないところが先輩らしいです」
「きゃははは、そうでしょっ!!アイツに似たんだよきっと…。ま、そこは置いておいて、明日出し惜しみしちゃダメだよ??舐めてかかってる先輩と同級生、ついでにあの生意気な天才サマを驚かせちゃえ」
「そうですね、そうします」
「じゃ、帰ろうか」



そして二年生対一年生のミニゲームは予想通りテツヤくん火神くんメインの攻撃で勝利をおさめた。


私は


「新入生くん!!




誠凛高校男子バスケットボール部にようこそ!!」


一緒に『キセキの世代』を倒そうね、と本心から笑って言った。








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