依存と共存 | ナノ






「どーしてくれるんスかこの状況!!」
「しらないよ馬鹿黄色…。私の半径6370`以内に入らないでくれる??」
「もはや地球圏外なのだよ!!??」
「うるさい緑色。二酸化炭素吸って酸素吐けるレベルになるまで土に埋まっとけ」


あーもう。
気まぐれで来てみたら本当に面倒くさいことに巻き込まれたよ、うざ。

うざうざざーっ!!


「な、何しに来たんスかアンタ!!??」
「気分??」
「アンタの気分で大惨事だよ!!」
「大惨事って言葉知ってたんだ、馬鹿なのにぃ。あと気分ってのは嘘だしね」
「サラッと嘘吐きすぎっスよ!!」
「アンタ、テツヤくんに謝んないわけ??」
「あれ、スルーっスか??…、謝るって試合中のことっスよね。んんなの後で謝りに行くつもりだったんスけど」



あーうん。
まぁ、おっけーおっけー。分かってないわけ、だ。


「ふふふーっ、なぁなぁの関係は好きじゃないんだよぉ。分かってないなら黄色も緑色もどうでもいいけどぉ…。あんまり目に余る行動をするのなら…











私たちが許さない、から覚悟しときなよ」



オンナノコは怖いんだよぉ??とにんまり笑顔を向けて私は歩きだした。
りっちゃんに無理言って残らせてもらったんだけど、あんまり収穫なしかな。ゆず先輩にも報告しなくちゃ。


スマホのメール画面を開いたとき、前方に見知った人物を見かけた。


「ありゃりゃ、珍しい」
「…え、っと七瀬サンっすか??」
「そうだよー。そういう君は高尾くんでしょぉ??この辺で学ランって秀徳、だよねぇ…ふぅん」
「なんなんすか、言いたいことあるんなら早く言って欲しいんすけど…」
「あーごめんね、高尾くん。言いたいことって言うか、うんそうだね。直接的な君の先輩ではないけど、先輩面して一つ忠告!!復讐なんてなーんにもいいことないよん、君の自己満足にウチの可愛い可愛い後輩巻き込まないでねっ☆ってことぉ」


にっこり、効果音が付きそうなほど貼り付けた笑顔。
春先の癖にブリザードが吹き荒れるような、そんな錯覚に陥りそうになる。


「…あんた達が守れなかったくせに、今さら先輩面するんすね。オレの幼馴染からバスケを奪ったくせに!!」
「……その件に関しては私たちに非がある。私が謝って君の気が済むならいくらでも謝るよ、ごめんなさい。あの子を傷つけた、だからこそ…あの子の大切な幼馴染である君を間違った道に進ませたくないんだよ。…、ごめん。君にとって私は憎い人間の一人だと思う。だけど、君が傷ついたら悲しむ人間がいる。それだけは覚えておいて」


そう言って私は何も考えず走り出した。
逃げたみたいって言うか、実際逃げたんだけど…耐えきれなくなっちゃったよ。






<<>>