依存と共存 | ナノ






ブザービーターと同時に火神くんのダンクが決まった。


「「「うわぁぁぁぁぁぁああああっ!!!!誠凛が!?勝ったぁぁぁぁぁああああっ!!!!」」」


体育館が一斉に盛り上がる。


「え、あ…勝った、の??」
「えぇ、勝ったわ!!すごい!!」


コートからは火神くんの雄たけびが聞こえて思考がはっきりとする。
私今日どれだけ意識飛ばしてるんだろう…??


黄色を見ると泣いてた。
泣いてた!?


「え、なんで泣いてんの??」
「どうしたの月??」


えー、負けたくらいで泣くの??
メンタル弱いなぁ。
あ、幸さんの蹴り入った。
幸さんって本当に柚葉先輩が絡まなければ男前だなぁ。



「整列!!100対98で誠凛高校の勝ち!!」
「「「「「ありがとうございました!!!」」」」」

***
試合が終わって挨拶もして、あとは帰るだけなのに私はなんでここにいるんだろう??

海常高校の体育館の近くの水飲み場。
大嫌いな黄色を見つけたと思ったら、まさかの緑色乱入…だと!?



「うーん、どうしようか。別に会いたいわけじゃないんだけど…」


会わなくて済むなら一生会いたくないってレベルだけど。

考えながら唸ってると聞き捨てならない言葉が聞こえてきた。


「――――あんな学校で勝とうとしているのが、運命は自らが切り開くとでも言いたげで気にくわん。ただ…地区予選で当たるので気まぐれで来てみたが、正直話にならないな…」
「ふざけんな真緑野郎ぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおっ!!」
「ぐふぁ!!??」
「さっきから聞いてたらいい気になりやがって!!おは朝電波メガネコミュ障が!!『キセキの世代』だからってなめてんじゃねーーーーー!!殴られたいってぇ??うんうん二次元属性にさらにドMの称号も欲しいなんて欲張りだなぁ、もうっ☆」
「ちょ、ま…っ!!!」
「きゃはははははは、なんか言ってるぅキモイーwww」


ゴスゴスと鈍い音を立てながら緑色に鞄をぶつける。
自分が何を言ってるのかはよく分かんないけど、うんムカついた。


「本気で胸糞悪いわ」
「み、緑間っちーーーーーーー!?」
「ナノダヨ…」


気づくと緑色は倒れていて、それに黄色が駆け寄っていた。










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