依存と共存 | ナノ
放課後部室に行くと日向が懐かしいものを読んでいた。
「あ、それ懐かしい」
「知ってんの??」
「もちろん。テツヤくんがいたときの号だし」
「おー一人一人特集組まれてるよ『キセキの世代』」
「すげぇ」
「黒子は…記事ねーな」
「6人目なのに…??取材来なかったの??」
「来たけど忘れられました」
「「「(切ねぇーーーー!!)」」」
まだ色々日向たちは話してるけど、私は雑誌をめくる。
「はっ、気に食わない顔!!」
黄色が目に入るのは嫌だね。
あいつのページを開いて地面に叩き付ける。
バシンッと意外に大きな音が鳴ってびっくり、びっくり。
「準備してきまーす…」
大っきらい、『キセキの世代』なんて。
***
りっちゃんが休憩の笛を鳴らしたからタオルとドリンクを持っていく。
その時に聞きなれた単語と不愉快な単語が聞こえた。
「海常は今年『キセキの世代』の一人、黄瀬涼太を獲得したトコよ!!」
「りっちゃん、それ本当??」
「えぇ、練習試合が組めたの!!本当にありがたいわ」
「………武田せんせーのとこ行く」
「え、なんで」
「退部届け取りに行く」
「まてまてまてまてまてまてまてぇいっ!!!!」
「ちょ、変なトコ触んないでよひゅーが!!変態、ぷっつん眼鏡の変態!!むっつりぃぃぃぃいいいいっ!!!!」
「誤解を招くような言い方はヤメロ!!」
ざわ、ざわざわ
「ん??なんで今日こんなにギャラリー多いの…??」
しかも女の子ばっか…り…。
「まさか…!?」
女の子の集まる中心を見ると不愉快極まりない顔が見えた。
そしてそいつは格好つけたような声で言った。
「あーもー…こんなつもりじゃなかったんだけど…」
うつむいていた顔を上げるとはっきりと分かる、黄色。
「「「「黄瀬涼太!!!!??」」」」
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