依存と共存 | ナノ






やっぱこれしかないでしょー!!


「…前半物騒だし、後半の方が重要!!ま、まぁいいわ。次、誰が逝く??」
「りっちゃん逝くの字ちがーう」


「ヨユーじゃねーか、こんなんテストにもなんねー」


火神くんは一歩で柵に上がって迷いなく叫ぶ。


「倒す」ってあたりがいい子ちゃんだよなー。私絶対無理だ。


「次はー??早くしないと先生来ちゃうよ」

「すいません、ボク声張るの苦手なんで拡声器〈コレ〉使っていいですか??」
「…い、いいケド」


テツヤくんが拡声器のスイッチを入れて息を吸う。そして声を…発する前に屋上のドアが荒々しく開かれた。


あーぁ、タイムアップだぁ。つまんないの。



ガミガミと先生の説教の間にりっちゃんからの視線をすごく感じる。無視してもいいんだけど、私も飽きちゃったし。


溜息を吐き立ち上がり先生を見つめる。


「先生、」
「なんだ七瀬。お前が付いていながらこんな事態を起こすとはお前には自覚がないのか!!」


うぜぇです。


「はい、この件に関しては申し訳ありませんでした。バスケ部を代表して謝罪申し上げます」


深々と礼をする。みじんも思ってないけどな!!


「ですが、こうやって屋上という場で宣言するのにはとても勇気がいることだとは思いませんか??全校生徒や先生方に自分の夢を語り、人生の恥となる罰ゲームもあります。先生にはそれをする勇気がありますか??ないですよね。日本一になる、なんて夢の見すぎだという方もいるでしょう。ですが私たちバスケ部はそれをやり遂げるために、精一杯努力します。そのための意思表示なのです」


にこりと笑顔は崩さない。


「だから私は男子バスケットボール部のマネージャーとして、ただの一生徒として、そして…誠凛高校の生徒会長として彼らの夢を支えたい、そう思ったんです。先生方の気を悪くしたのならもう一度謝罪申し上げます。でも、私たちの意思を知ってください…お願いします」


ほら、言い返せないでしょう??謝る気なんてないし、間違ったとも思ってないもの。


先生は顔を朱に染めて(全く萌えないなぁ)、屋上から出て行った。


一斉に吐き出される溜息。


「助かったわ月。本当にケチねこの高校は!!ちょっとくらいいいじゃない、ねぇ!?」
「いやいや、今は言いくるめたけど本当はダメだからね??ほかの子は部活中の声だしとかで選別してちょーだい。ていうかりっちゃんがやればいいのに、副会長でしょ!!」
「あんまり得意じゃないのよ、あの先生。それに月ほうが言いくるめ上手いわ(キリッ」


キリッじゃないよ、まったく。


「んじゃ、授業送れないようにね。また放課後」


ばいっちゃ。



だけど私は




数日後にマネージャーになったことを後悔しました。




ほんとうだよ??






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