『十\だけ言うんじゃなくて、一から説明してくれる?』

「えっと、ね。最初は私もシルバーくんだって思ったの。でも……シルバーくんだったらコトネちゃんの名前がでたとき眉をしかめて無視すると思うの。

でも……あなたは反応して怒ったよ、ね?だから、私の知ってるシルバーくんとは違うんじゃないかな、って」

「……それで、どうして俺が女だって?」

「ふえ?だって、女の子なんでしょう?」


どうしてか説明を求めたのに、当たり前のように女の子だと断言していた。

あまりにも素直で率直な回答だったのでシルバーは思わずずっこけてしまいそうだった。

だが、ここでこけたら姫抱きされている刹那がどうなるかは考えるまでもないので踏ん張った。


「あのなあ……」

「女の子はどうやろうと女の子……じゃない、の?」


じぃっと顔を下から覗きこまれて、しかも凝視だった。

その上『女の子はどう男装しても女の子でしょう?』と男装して女という性別を隠している人に聞くような目で言われた。

もう、何も言い返す言葉がなかった。


「でもね、私……あなたのこと怖くない、みたい」


ふにゃりと刹那は笑った。

それはしまりのない表情で、状況を和らげるものだった。



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