『がああ!我慢の限界だ!!おいこらテメェ!馴れ馴れしく刹那に触れてるんじゃねええ!!』


ポムッと音をたててモンスターボールから現れた心愛。

ここで擬人化ではなく原型の姿なのは狭い場所で大きい身体になってしまうと危ないと踏んでのことだ。

イーブイの姿をした心愛はぴょんっと刹那の腕の中にはいり、がるると威嚇をする。


「心愛ちゃん、」

『だいたい!刹那も刹那だ!!そう気安く男に抱っことかされてんな!!』

『んなこと言っても、刹那にそういう判別はできないだろうけどな』

『雄と知ってなおお風呂一緒にはいれるくらいだしね』

『無知こえー……』


『こあにーちゃだけずるい……』

約一匹を除いての者の台詞はもっともだった。

刹那に異性という概念がない……というより純粋すぎて14歳となっても性的とかそういう知識を少しも取り入れてないのだ。

だからそれを言ってしまえば男にやすやすと抱きしめられるな、ということを理解できない。

……それ以前に心愛が言っても説得力がない。


「……あのさ、みんな」


刹那は次の瞬間、爆弾発言を投下させた。


「たぶん、この人は女の子…だよ?」


何を言っているんだ。全員が全員思ったことだ。

ただ一人。それを言われたシルバーだけが冷静に、刹那を見ていた。



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