そもそもなぜこのような言い争いが始まったのか。それを話すには約3時間ほど前に遡る。

以前二人が会ったとき、刹那が最後に『また会おうね』と言ったが本人たちは本当に会うとは思っていなかった。
再び会えたらいいなとは思っていたのだが本当に会えるとは思わなかった。

なぜならばこの二人の"生きている世界"そのものが違うのだから。
それがきっかけ分からずふと気付けば再会していたのだ。
刹那がぱわああと顔を輝かせて喜んでいるのに反しシルバーは表情に出さず驚いていた。

それから一言二言今までのことを話し、なぜか自分の手持ちの話しになり、


「だーかーらー!」

「それならなあ!」


言い争いが始まっていた。
最初は刹那は喧嘩していないのにと刹那の手持ち側が慌て、手を出したらぶっとばしてやると意気込み、シルバーの手持ちは手持ちで、相手のポケモン殺気立ってるぞ。というか明らかに喧嘩慣れしてない子にそんな凄んでいいのかとおろおろしていた。

が、しかし途中でその心配は必要いらないと思って二人を放置しポケモンたちでわいわい勝手にバトルをし出したりしているのだが。


「でもシルバーちゃんって私たちにいない種族が多いよねー」

「ああ、そうだな。刹那の場合地方が多くていろいろな話聞けるんじゃないか?」

「うん!特にね、わたちゃんのイッシュ地方のお話!あと空狸ちゃんがいろいろな地方に回ってたことあるらしくて!」

「それは興味深いな」


(……いつの間にか争いが終わってるわ)


今まで言い争っていた二人が楽しげに談笑していた。

それを発見した氷華は二人とも女の子と温かい目で見守りつつ、混ざってガールズトークをしたいとうずうずしていた。
それを見て陽がうっかり『ガールって年じゃねーだろ』と言ってしまいしばかれたのは言うまでもない。



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