大好き、だよ(月と伊月)


「俺にはやらないといけないことがある。だからこれで終わりだ、月」
「…真はさ、ヘタレの癖に頑固だから一回決めたら覆してくんないよね。聞き分けいい子で、いたいんだよバカ。私が!!真の覚悟、崩せるわけないよ…ね」
「ごめ…っ」
「謝らないで!!どっちが辛いと思ってんのよバカバカ、ばかぁ…っ」


崩れ落ちそうになる体を必死で支える。涙はもうあふれ出しそうで、でも真の前で情けない姿を見せるなんて絶対にイヤ。

真の一番は私じゃないって思い知らされた。プライドはズタズタだ。


でもでも!!


「きっと将来後悔させてあげるんだからっ!!絶対、ぜーったい私を連れて行けばよかったって後悔させるくらい立派になるんだからねっ!!」


べーっと可愛くないし子どもっぽい仕草で舌を出す。


「…後悔なら、もうしてる。月今までありがとう、ごめんな」


そう言うと真は私に背を向けて走り出した。

思わず伸ばしてしまった手は寸前のところで彼には届かずそのまま私は地面に崩れ落ちた。


「謝るな、って言ったのにぃぃぃぃいいいいっ」


ボロボロと涙のダムは崩壊して、初めてじゃないかってくらい声をあげて泣いた。

被害者ぶる気は全くないけど、後悔…はあるかもだけど。


「謝られたら私がみじめじゃない、ばか真ぉ」


好きだった。ううん今でも好きだ、愛してる。
詩織ちゃんに嫉妬してるんだよ、私は。真の愛を一身に受けて羨ましい。

そう思ってしまう私はみじめで浅ましくて最低だ。

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