今日も色々あった。サンジ特製の美味しいご飯も食べてお風呂も入って、後は布団にくるまって明日が来るのを待つだけの時間。今はロビンがお風呂に入ってて、ナミはベッドに座りながら髪を乾かしている。



「ったくアイツらほんっとに厄介事しか持ち込まないんだから!」

「大変だったね」

「大変なんてもんじゃないわよ!あれでどれだけ時間無駄にしたと思ってんのよ、買い物だって沢山したかったのに…国王が優しい人じゃなかったら私アイツらぶん殴ってるところだわ!!」



怒り心頭のナミは声を荒げてそんなことを行った。原因は朝イチで降りた島で起きた小さな事件だったりする。その島、っていうか小さな王国だったんだけど、ゾロとサンジがそこの王子様と喧嘩になったらしいのだ。その王子様って言うのも、人を見下し誰かの足元掬い上げては財産を巻き上げるっていうような人だったんだけど、それを見て助けたサンジとゾロが王子様の標的になった。何せ相手は王国の王子様。ありとあらゆるものを使って私たちを潰そうと攻撃を仕掛けてきたのだ。



「まぁ落ち着いて。話が分かる国王で良かったじゃないの」



お風呂から出てきたロビンがナミの隣に腰を下ろして、薄く笑ってそう言った。ロビンの言う通り、王子様はアレだったけど王国の長である国王は物腰が柔らかくとても良い人だったのだ。結果だけ言っちゃえばサンジとゾロの二人で王子様や護衛達を薙ぎ倒してしまったんだけど、壮絶な感じで巨大なお城はほぼ全壊。しかし国王は怒るどころか「王子にはいいお灸になっただろう」とその暴れっぷりを見逃してくれたのだ。



「はぁ…疲れた。将来いい人見付けるならあんな奴らはやめときなさいよ」

「あら、私は意外とお似合いだと思うけど?剣士さんとかコックさんとか」

「はぁ!?ロビンそれ本気で言ってんの!!?」

「ええ、勿論」



信じらんない!!絶対ダメよ!!って、ロビンに噛み付いていくように抗議するナミ。ロビンは特に気にしていないように私を見て、貴女はどうなの?なんて話を振ってくるし。そんなこと聞かれても今までそんなこと考えたこともなかったし…なんて思う。考えなくていい!!とナミに怒られたけど。



「みんな強くて優しくて、カッコいいし、私のいた世界だったらきっと大人気だと思うよ」

「確かに強いし…人によっては優しいかもしれないけど、でもカッコいい?」

「え、かっこよくない?」

「私にはわかんないわ…」



ナミとの会話を聞いていたロビンが笑った。私も話しながら、前は友達とこんな会話もしてたなぁって少し懐かしくも思う。



「あちらの世界に恋人はいなかったの?」

「いないよ」

「じゃあこっちの世界で見付けてみるのもいいかもしれないわね」

「もう!だからロビンはむーに変なこと言わないでってば!!」

「変なこと言ったかしら?」

「サンジもゾロもルフィもウソップも!むーと付き合うとか有り得ないから!」



クスクス笑うロビンはまるでナミをからかっているかのようにも見えた。
もしも私が誰かを好きになったとしても、その誰かが私を好きになってくれないといけないわけで。みんなの顔を思い浮かべてみたけど、誰かと付き合うとかそんなのやっぱり考えられないなって思った。


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