放課後の教室に五人で集まり、暇だな暇ですね何か話題ないのかよだったらお前が話題提供しろよ、なんて下らねぇ事してたらいつの間にかこんな話になっていた。
色恋の話とか、まぁ、思春期の男子高校生が興味を持つようなちょっとアレ、な話だ。
オレら5人、まぁ春はなんか違うような気もするが彼女がいたことがないオレらは勿論あれだ、ドウテイってやつ。
悠太は一瞬だけ彼女がいたがあれは例外。
つーか祐希や悠太はその気になりゃいくらでも彼女なんて出来るだろうが、なんつーかオレらには無縁なようなそんな話。
もはや妄想の世界だが彼女もいないオレらがこんな話すんのは虚しさも数段膨れ上がるような気がする。



「初体験かーいいなー」

「千鶴と要は一体何十歳で卒業するんでしょうね」

「何十歳ってなんだよお前」

「いくらゆっきーとゆうたんがモテるからってそれは酷いっ!」

「春は……ねぇ?なんか嫌だよね、大人の階段登った春…」

「そっ…そんななんか……あの……」



真っ赤になって俯く春。
まぁ確かに、春はなんか違うような気がするって言うかなんつーか。
そもそも独り身の男5人が放課後に集まってこんな話してる時点でなんかもう、無理だろ、オレら。
せめて誰か一人でも色恋のなんたらっつーのを語れるやつがいたらいいのかもしれねぇけど、このメンバーじゃそれを期待するだけ無駄だ。
いつも男ばっかりでつるんでるオレらにそんなチャンスはしばらく来ないだろう、きっと。



「須藤さんはなんかアレだけど、むむむさんとかももう済ませちゃったのかなー……ってその視線やめいっ!!」

「お前最低だな…」

「こんな低俗な話にクラスの女子の名前出すとかほんと最低」

「だからいつになっても童貞のままなんだよ千鶴は――」



発した悠太の声がやけに静かに響き渡る。
なんて絶妙なタイミングで入ってきたんだろうか。
さっき出てきた名前の彼女がドアを開けて立ち尽くしている。
微妙な沈黙を破ったのは彼女だった。



「…ご…ごめんね……」



……謝った。
ガラガラッと扉が閉じられた教室に、千鶴の悲痛な叫びだけが虚しく響き渡った。



下ネタに顔真っ赤

(…どこから聞いていたんだろうか)










―――――
ええ男子高校生ビバ。
ちなみに視点は塚原でした。


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