久々に静かな街に来た。ナミから貰ったお金を持って必要な物を買いにいく。新しい服もいるし刀も見たいし、それに旨い酒も呑みたい。喧嘩はするなとナミに何度もしつこく言われ誓わされた。これで喧嘩なんかした日にゃナミにぶっ殺されるのが目に見えているからそん無駄な事はしねぇ。

それにしても平和な街だ。これなら喧嘩するなと言われなくてもそんな事にはならないだろう。
適当に賑やかそうな居酒屋に入りうまそうな酒を胃に流し込む。安い割にはなかなかウマイ。適当に飲んでから服やら刀を見る為に店を出た。まぁ正直刀はいらねェんだが、見るのはなかなかいいもんだ。

そろそろ船に戻るかと足を進めていくと、そこには野郎が何人も固まっているのが見える。何してんだ?と何気なく覗いてみれば、中心には誰かがいるらしい。ガキか女か、カツアゲかはしらねぇがダサい事この上ない。一人相手に野郎数人がかり。やるんなら堂々と、



「…お前」

「……ゾロ、!」



堂々、と。
真ん中に居た人物を確認して、一瞬思考が止まった。通り過ぎようとしていた足も止まる。弱々しく俺の名を呼んだそいつは、紛れもなくむーだった。
喧嘩はするなと言われたから適当に威嚇して散っていった野郎共にも呆れたが、前で落ち込む彼女にも同じくらい呆れた。困った顔してないで叫ぶだの暴れるだのすりゃあいいものを大人しく捕まってるだけとは呆れる以外ないだろう。



「何してんだよ」

「…捕まりたくて捕まってるわけじゃないんだよ、ほんとに」

「んなの当たり前ェだろ、アホか」



ごめんね、と溢した言葉にオレが罪悪感を感じる必要はない、はずなのにため息が出た。オレはいつからこんな風になったんだろうか。だから謝られるのは好きじゃねぇんだ、オレまで悪いことしたような気分になってくるから。頭をかきむしって行くぞ、と背中を押す。まだ服も買ってねぇのにこれから先どうすっかなんて思いながら、怪我をしていた足を治療する為に船へと足を急がせた。



助けを求める涙目

(その目には弱ェんだ)










―――――
うんよくわからん


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