今日も船長に付き合ってよくわかんねェ森を探検し、ついでだしなとマリモと狩りの勝負をしてしばらくは持つであろう量の食糧をゲットした。まぁアイツらオレの知らねェ間に全部食っちまったりするからわかんねぇが。早速ルフィとチョッパーとマリモが何か作れとワァワァ言う。ウソップはいねぇのか。


「おいおいもうちょっと待てねェのかァ?先風呂入ってくるからちょっとくらい待ってろ」


ブーブー文句を垂れる奴らを無視して風呂場に向かう。一応疲れてんだよオレも。たまには料理の前に身体を綺麗にさせてくれ。
傷や泥だらけになってもう何の誰のかもわからないが血もベッタリと皮膚の上に固まっている。新しいシャツだってもうボロボロで着られねぇ。いつもこんなんだからお気に入りの洋服だって買ってから大体もって2日か3日。おいおい衣装代でどんだけかかってんだよオレら。只でさえ貧乏海賊団なのに。
お気に入りだったシャツを脱ぎ捨て、こちらもまたお気に入りだったズボンを脱ぎ捨てる。高かったんだぜこれ…なんて思うがまぁ別に構わない。そもそもオレらは海賊だ。ここまでオシャレしてんのも本当は可笑しい話。近頃の海賊はこんなんだぜ?なんて言ってみるが結局ボロボロになっちまうんだ。まぁ紳士たるもの身だしなみとレディの扱いには細心の注意を、ってな。



「…………」

「……………」



ガラッと、開けたそこには想像していたより遥かに細い肩と長い髪。あれウソップこんなに華奢だったか?なんて疑問が頭に浮かんで、消えた。バッチリと絡まった視線の主は下睫毛が濃くなくて、鼻も長くなくて、唇も分厚くなくて、



「……わ、悪ィ…」

「え、あ、あの、ご、ごめんなさい…」



…嗚呼そこに居るのは全然ウソップなんかじゃねェ。



ゆっくり目を反らす

(タオル巻いてて良かった…)


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