告白して玉砕して、色々あって友達になって、一緒に帰ったり喋るようになったりして喜んでいたとき、橘くんの口からポロッと出た一言により私の気持ちに二度目の終わりを迎えた。私の気持ちって言っても、好きか好きじゃないかって聞かれたらそりゃ好きなんだろうなって思うくらい。いくら玉砕したってそう簡単に“もう好きじゃないよ”なんて言えるわけないよね。でも仲良くなってから別に付き合いたいとか思うこともなくて、浅羽くんと話せるようになっただけで幸せだと思ってたし、何の問題もないんだけどでも何か嫌っていうか、もやもやって。また告白すればいいじゃん!なんて本人の前で言われたんだから恥ずかしいなんてもんじゃないだろう。もしかしたら浅羽くんは「こいつまだ俺のこと好きなのかよ」なんて思っちゃったかもしれないし、もしそうなったらうざいとかしつこいとか、思われちゃったかもしれないし。もう私どうしたらいいのか分からない。せっかく友達になれたのにもう話してくれなくなっちゃうかもしれない…なんて思うと気持ちだって落ち込んでくる。
「まぁそれは橘も悪いけど、告白しちゃえばいいと思う」
「…他人事だと思って!」
「だって他人事だしね」
「私ら関係ないもんね」
何があったのって聞かれたから答えたのに、友人二人の反応はこんな感じだった。私にしてみれば全部橘くんのせいなんだけど二人にしてみれば“いい機会じゃん告白しちゃえよ”って事らしくて私はもう項垂れるしかないのだ。何度も言うが告白なんて出来るわけない。もしかしたら浅羽くんも私を気にかけてくれてるかもしれないっていうような自信があればまだ告白も考えるかもしれないけど、今はそんな感じは微塵もない。今はっていうかこれからもないかもしれないけど、せめてもうちょっと話したりしたかったわけで。
「でもさよく考えてみ?浅羽とああやって話したりする女子ってむーくらいだよ?」
「あんなにモテるのに女子と話ししないからねぇ」
「しかも一緒に帰ったりとかしてるわけじゃん?もう告白しちゃいなよ」
ねぇ、って頷き合う二人に私は首を横に振るだけ。二人が言うことも間違っちゃいないのかもしれないけど、でもそこから告白っていうのは違うし無理。繰り返し言うけど無理なのだ。二人は私の恋模様をかなり楽しんでいるみたいだけど、私にすれば何一つ楽しいことなんてない。もう友達ですらなくなっちゃったかもしれない…と思うと何だか泣きそうな気持ちになった。
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