嘘だろありえないでしょ、って一人で悶々としている私。友人が言ったこと、私の勘違いや思い込みじゃなかったらきっと、そういうこと…だよね?いやいやでもまさか……そんな思考の無限ループ。私の異変に気付いた友人はずっとニヤニヤしているし、でも信じ切れない私がいる。だって普通に信じられないよね?そんな、そんなあの、悠太くんだよ?あの綺麗で格好良くて優しくて素敵でいっぱいな悠太くんだよ?女の子にモテモテの悠太くんだよ?いやいやないない…そんなことあるはずないんだよ。
「告白するべきだと思うんだけど」
「いやいや無理無理無理無理…」
「なんで?もう気付いてるんでしょ?」
「…わ、私だってそんなに鈍感じゃないし……」
「大概鈍感だよ」
そんな友人の反応でわかるのはやっぱり、あれは、そういうことだっていうことで。嬉しいけど、恥ずかしくて、言葉が出てこない私。恋する乙女っぽい?恋してるんだもん。でもそれとこれとは話が違って、告白って、なんかそれは別っていうか。
「絶対フラれないんだからさ」
「絶対とは言い切れないじゃん…!」
「好きな人に告白されてごめんなさいなんて言う奴いねぇよ」
「でも…」
「あーめんどくせぇなぁもう!」
かなり口が悪い友人にビビる私。うだうだする私を見てかなりイライラしてるんだろう、めちゃくちゃ機嫌が悪い。でも私は友人みたいに思い切りもないし勇気もない。気は小さいしハッキリしないし自信なんてあるわけない。何をどうしたいのかも分からない、なんかもう、なんかあれだなぁ。…これなら知らない方が良かったのかもしれない、なんて、ほんとに馬鹿馬鹿しい事を思った。私、なんだろう、調子乗っちゃってるよね。
そんな事を考え始めると、嬉しいことも素直にそう思えない。好きな人が好きだって思ってくれてるならこれ以上に幸せなことってないはずなのに、なんか、思ってたのと違う。薄れていくきらきら感。ああもうなんなんだろう、どうすればいいんだろう私は。
「どうしました?」
…―こんなときに。声をかけてくれるの、悠太くんで。教室にはたくさんのクラスメイトがいて、それでも、悠太くんはわざわざ私のところまで来てくれて、心配してくれてる。なんでもないよって言っても、そうですかって、立ち去らずにそこにいてくれる。嬉しいんだよすごく、幸せだし、ドキドキしてる。でもそれだけじゃなくて、なんかもうやだ、私、あまのじゃく。
「今日はいい天気だね」
「そうだね」
悠太くんが言った通り、天気はすごくいい。青い空に浮かぶ白い雲はまるで絵画や写真のようで本当に綺麗。私の心もそんな風に晴れ渡ってくれたら、素敵な気持ちになれるんだろうなって、思うだけでは気持ちは晴れなかった。
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