付き合ってないです、って知ってから明らかに浮かれた私に、次の日に訪れた大惨事。まさかの風邪。まさかの高熱。まさかの、欠席。特に風邪を引くような事はしてないんだけど…お母さんが風邪気味みたいだったからそれが移っちゃったのかもしれない。……昨日考えすぎて、知恵熱、とか?もしそうだとしたら、私ほんとに、どれだけの被害妄想をしていたんだろうって。特に被害を受けたわけじゃないから被害妄想とは言わないのかもしれないけど…なんて考えるのもだるくなってやめた。風邪ってつらい。普段あんまり風邪なんかひかないから、この辛さってよく分からなかったけど、頭も痛いし熱いし寒いし、もうよくわかんない。寝よう。



「…」



そんな感じで気付けば、何度か起きたりしたけど結局夜まで寝ていたみたいで、寝過ぎでまた身体がだるい。お腹も空いてる。そういえば朝から大したもの食べてないなぁ…って、気付いたら余計にお腹もすいてくる。隣に置いてあった体温計で熱を計ると、朝からだいぶ下がっていた。平熱まではいかないけど、微熱くらいだからもうすぐ下がると思う。身体的には、頭痛を除いてはもう平気。



「起きた?」



って、ナイスタイミングでやってきたお母さんに熱下がったよって伝えて、お腹すいたって言ったらご飯を持ってきてくれた。ご飯を食べて薬を飲んで、やることなくて思い出したように携帯を触ると、メールが数件入ってた。学校の友達から大丈夫?っていう心配メールで、普段あんまり心配とかされないから、なんかくすぐったいけど嬉しいと思った。メールが届いてたのが朝とか昼で、今はもう夜とかそんな時間。とりあえず明日は行けると思うって内容のメールを返していると、お母さんが再び登場。



「そういえばクラスの子がプリント持ってきてくれたわよ。あの子彼氏?それにしても綺麗な子だったわ」



友人の顔を真っ先に浮かべた私の思考は一旦停止。綺麗な顔の男の子、って、もしかして…って。そこで真っ先に浮かんだのは、何故だか悠太くんの顔だった。彼氏っていうのを取り敢えず否定すると物凄く残念そうな顔をされたけど、それが悠太くんでもそうじゃなくても彼氏なんていないから否定はしておかないと。
もし、悠太くんだったら…なんて思っちゃう私って、かなり自惚れてると思う。調子乗ってると思う。違うかもしれないって自分に言い聞かせながら、それでも、悠太くんだったら、嬉しいなって、ほんの少しだけど期待をしている私もいる。明日、学校に行くのが楽しみになった。もし違ったとしても、それでもやっぱり、…なんていう小さな期待は消えてはくれなかった。


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