明日はようやく休みで、今週は何だか早かったなぁなんて思った。今までよりも悠太くんと沢山話せたし、今日もまた話せるかなって思うと学校も楽しくなってくる。
今日は朝は会わなかったなぁ…って、考えて少し残念に思う私は何だか乙女。恋すると毎日がきらきらするって誰かが言ってたけど、今の私が本当にそうかもしれない。恋し始めたのは今じゃないけど、でも、きらきらしてるのは今で。毎日がすごく楽しい。



「恋する乙女ですねー」



机に肘をつき、手に顎を乗せた彼女が大きな目で私を見上げた。美人さんですねって言ったら何故だか「馬鹿野郎」って返された。私が座ると私の方をツンツンして嬉しそうにした。何が楽しいのか分からないけどとりあえずニヤニヤしてる。



「可愛くなったよね」

「えぇ?変わってないよ、可愛くないし」

「嘘つけよ、毎日幸せそうに笑っちゃってさー?」



多少の口の悪さは、まぁ裏表がないってことにしておいても、何故だか本当に楽しそうに笑っている。彼女が言う通り、最近は毎日幸せだなぁって思えるんだけど、友人に言われると照れ臭いというかなんというか。友人に限らず、恋愛話なんてあんまりしたことないから。



「片想いなんだけどねぇ」

「…片想いねぇ?」

「でも、なんか…楽しいなって思うよ」



自分でも自分が笑っちゃったのがわかる。きっと自分が分かっているよりも、ずっと幸せなんだろうなって思う。胸がぽかぽかしてて、なんか、恋するのもいいもんだなーって思った。片想いだけど、それも悪くないかもしれない。片想いしてる間が一番楽しい、なんて言う人もいるみたいだし。両想いになりたくないわけじゃないけど、でも、今はまだ片想いでもいい。フラれたりしたくないから…なんて考えるともうずっと片想いでもいいかもしれない。いつか、それが辛いとか思っちゃう日がくるのかもしれないけど。



「ま、上手くいくといいね」



そう言った友人に、そうだなぁって曖昧にしか返せない私。上手くいくといいね、って私だってそうなったら嬉しいけど、現実的に考えてその可能性があるのかすらわからない。ただ、やっぱり他の女の子よりも仲がいいんだっていうのもなんと無く分かってる自分がいるのも確か。とりあえず、あと少し、仲良くなれたらいいなってそんなことを思った。


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