昨日の雨は夜に止み、今日はまた快晴の朝を迎えた。そんな天気で学校まで歩くのは何だか気持ちがいい。そういえば今日は服装点検の日で、いつもは濃いめのお化粧の子もナチュラルになってたり、スカート丈が真面目だったりで不思議な感じがする。私はいつも真面目にやってるつもりで、だからいつも通りなんだけど、なんか引っ掛からないかなぁって無駄に緊張する。この前は生徒指導の嫌な先生だったけど、今日は東先生みたいだ。
「おはようございます」
「おはよう」
ああ、今日も朝から爽やか。女子生徒をメロメロにさせるような優しい笑顔に私もときめく。反対側にもう一人の先生が立っているわけだけど、私の点検をしてくれるのは東先生だ。特に違反のない私はすぐに解放されてそのまま下駄箱に移動。
「おはよう」
「あ、おはよう悠太くん」
塚原くんもおはよう、って言うと同じように返してくれた。先にそこにいたのは悠太くんと塚原くんで。塚原くんはいつもキッチリしてるイメージだけど、悠太くんがネクタイをしてる姿はあんまり見ないから新鮮な気持ちになる。かっこいいのはいつもそうなんだけど、でも、うん、新鮮。どうせすぐ取っちゃうだろうけど、ちょっとでも見れてよかったと思う。
さて教室まで歩こうかと足を進めると悠太くんが私の隣を歩く。塚原くんはどうやらいないようだ。先に教室に行ってしまったのだろうか。
「ごめんね、塚原くんよかったの?」
「祐希と千鶴追い掛けていっただけだから」
同じクラスだから教室まで並んで歩いて、中に入ってバイバイして、私の椅子に座っていた友達におはようっていったらなんだかすごい目で見られた。
「早く付き合っちゃえよ」
「何言ってるの…」
「実はもう付き合ってるの!とか言い出したら許さないからね?」
「あるわけないじゃん」
もう本当に何言ってるんだろう。普通きりえないから、って溜め息ながらに説明して席を退いてもらう。一緒に教室に入ってきたからねぇ、って、そう言われたけど朝たまたま会っただけだから、としか言えず。だって本当にそうなんだもん。
「さ、化粧してくるわ」
友人のスカート丈は服装検査だと完全にアウトな長さだった。お化粧してなかったから友人なりに気を遣ったっぽいけど、スカートは折ってるんじゃなくて切っちゃったらしいからそこはアウトなはず。反省文か何か書かなきゃいけないんだろうなぁって、何故か私がため息を吐いた。
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