昨日の帰りのアレのせいで橘くんが少し苦手になった私。朝はもう日課になりつつある浅羽くんとの挨拶を交わして小さな幸せに浸っている時に、あの声が聞こえてきたときは本気でちょっとビクッてなった。私の中で、出来れば顔を会わせたくない人として認識されている。会ったら会ったで声をかけてくれるから話さないわけにもいかないし、それでもう既に一回捕まっている。
「えっと。大丈夫?」
「…え?うん、大丈夫だよ?」
教室で溜め息を吐いた私に声をかけてくれたのは、まさかの浅羽くん。私、そんなに大丈夫じゃなさそうに見えたのかなぁ…ってちょっと不安になる。でも、わざわざ声をかけてくれたのは本当に嬉しかった。
「最近、千鶴とか祐希とか…迷惑かけてないですかね」
って、浅羽くんが言ってくれたんだけど返事に困るよね。そんな、もう耐えられない!ってくらい迷惑かけられたわけでもないし、迷惑ってほど迷惑ってわけでもない、ような、そうじゃないような。明らかに戸惑ってる私に、何故だか浅羽くんが「すみません」って謝ってくれるから、いやいやそんな、大丈夫だよ!ってなる。悪いのは浅羽くんじゃないし、って取り敢えず冷静になって浅羽くんを見ると、やっぱり綺麗な顔。
「何か変なこと、言われたりとか…変なことってあれだけど、とにかく気にしないでくださいね」
「え、うん…気にしない方がいいなら…」
「」
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書き切れなかったのでネタバレ。
悠太にとっての気になる存在、っていう話でした。
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