せっかくの土曜日と日曜日を「寝て食べてテレビ見ながらボーッとしてたらいつの間にか終わってた」で終わらせてしまった私。引きこもり体質なんとかしなきゃなぁ、といつも思うんだけど。逆に疲れた気がしなくもない休み明けの月曜日。



「おはよう」

「あ、おはよー」



下駄箱で、こうやって浅羽くんと挨拶をするのは先週から引き続いている。学校に来るタイミングがどうやら近いらしくて、会う日と会わない日があるんだけど、会ったらこうやって声を掛けてくれる。なんか、素敵な日課だなぁって朝から気持ちも明るくなるよね。
土曜日と日曜日で、引きこもりながらちゃんとやってきた宿題を、クラスの女の子に見せてって言われてノートを渡した。みんな休みの日って、やっぱり友達と遊んだりしてるのかなーとか考えてみる。私も友達と遊ぶ日もあるけど、そんなに毎週なんて遊ばないし、遊んでくれる人もあんまりいないし。寂しいとは思わないけど、学生ってやっぱりお金もないし、あるのは時間だけだから…なんて考えたけど、結論が見えなくなって考えるのを止めた。
そんなこんなで今日も1日が終わる。もうすぐテストなんだけど、今日の授業の内容をもうほとんど覚えていない。それでもなんとか平均くらいの成績なんだから、特に問題はないと思ってるんだけども。



「あ!むむむさんも帰るの?」

「あ、うん。帰ります」

「いつも早いですね」

「やることないので」



下駄箱で、運がいいのか悪いのか、橘くんと浅羽祐希くんに遭遇した。そのままの流れで一緒に歩いてるんだけど、普段話すわけじゃないしクラスも違う二人だから何だか妙な気持ちになる。私いつの間に二人に話しかけてもらえるようになったんだろう。そもそもの始まりが全くわからない。



「むむむさんさぁ」

「なんでしょう」

「なんかさぁ?素敵だなぁとか、かっこいいなぁとか?思う人いたりしないの?」

「え?うーん、突然だねぇ」



仲がいいならまだしも、ほとんど話したことのない橘くんにそんなの聞かれても。そうだねーとか何だろうなーとかあやふやに誤魔化して、そのまま流れてくれないかなー…なんてね。そんなわけないんだけどね。



「例えばぁ、ゆうたんとかどう思う?」

「そうだねぇ、優しいし、しっかりしてるし、素敵だと思うよ」

「素敵だと思う!?」

「え…うん…」

「千鶴千鶴、むむむさんドン引きしてるから」



グイグイ近付いてくる橘くんに完全にドン引きしてた私に気付いてくれた浅羽祐希くんが、橘くんを遠ざけてくれる。それでも満足そうにうんうん頷く橘くんの意味が分からなくて、私って橘くんは合わないのかもしれないなぁと思った。


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