月曜日、火曜日と滑り出し好調な今週の始まり。滑り出し好調っていうかなんかちょっと幸せな二日間だっただけだけど。入学してから浅羽くんとあんなに関わったのって初めてかもしれない。同じクラスになったのは三年生になってからだし、同じクラスになってからも浅羽くんと話したりする機会なんてなかったし。別に望んでもいなかったし、そこまで意識したこともなかったんだけど。でも話したり関わったりすると、ほんのちょっとなんだけど浅羽くんの優しさとかなんか色んな事を実感する。今まで何と無く見てただけだったけどやっぱり浅羽くんって本当にそこにいるんだなって思った。当たり前なんだけど。
取り敢えず今日は水曜日。一週間の真ん中だから何か頑張れそうな気がして一人で小さく気合いを入れる。とは言っても授業なんてやる気があってもなくても、聞いてるだけで過ぎていく。授業と全く違うこと事を考えててもノートさえ取ってれば今のところは特に支障もない。テストになって自分が辛いだけ。一番前の席、窓からぼーっと空を眺めたりしてみた。



「ゆーた知らない?」

「…え、ごめん知らない…」



お昼休みに突然話し掛けてきたのは、なんてことだろう浅羽祐希くんだった。教室には他にもたくさんの生徒がいるし、なんで敢えての私なのか。しかも私の席って浅羽悠太くんの席からはかなり離れた場所だから、たまたま…はちょっとあり得ないような気もする。だけど浅羽祐希くんが私に話し掛ける理由とかどこ探してもないし、あいつ話し掛けやすそうだなとかそんな理由なんだろうか。嬉しいような嬉しくないような…複雑。



「………あの」

「なんですか」



なんですかって何ですか!と、言えないけど明らかにおどおどする私。いや、だってもう用事ないだろうに何故だか立ち去ろうとしない浅羽祐希くん。自意識過剰かもしれないけど見上げたら目が合いそうで、それが気まずくて敢えて見ないようにしてみたり。



「祐希」

「あ、ゆーた」

「なにしてるの」

「何もしてないよ、ねぇ?」



ねぇ?って話をふられた私は、縦でも横でもない中途半端な相槌を打つ。多分ものすごい引きつった苦笑いだっただろうな。



「俺に用あったんでしょ?」

「うん。英語の辞書貸して」

「勝手に持っていって良かったのに…」



浅羽祐希くんの背中を押す浅羽悠太くん。この二人ほんとに仲良しだな、って思いながら二人を見ていると、少しだけ振り返った浅羽悠太くんが小さく頭を下げてくれた。律儀だなぁなんて思いながら私も同じように軽く頭を下げておいた。


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