何もない、いつもとなにも変わらない月曜日。今日も眠いなぁなんて思いながらトボトボ歩きながら登校。周りの子達は友達と楽しそうに話しながら歩いてたりする中で一人ぼっちは寂しいけど、友達が少ないんだから仕方ないな…って自虐的になって切なくなるのもいつもと一緒。下駄箱に靴をいれて、上靴を履いて。これも同じ。ここまではいつもと何も変わらない日常だった。



「おはよう」

「お……おはよう…」



ただ一つ、いつもと違ったのは私に声をかけてくれた人がいたと言うこと。しかもその人って言うのが私の想像もしなかった人で、びっくりして尻すぼみなおはようになる。ビックリするよ、そりゃ、だってまさか、なんで、浅羽悠太くんが私におはようって言ってくれたんだから!一人でひっそりとテンション上がりながら、スッと歩いていった悠太くんの背中を見詰める。何だったんだろう…って、嬉しいくせに素直に受け取れない自分がここにいる。クラスが同じなんだから、浅羽くん優しいし、挨拶くらいしてくれたのかなって。それでも同じクラスだっていうのに普段は全くって言ってもいいくらい話さないんだから、緊張だってするよ、嬉しくだってなるよね。
好きなの?って聞かれたらそれは浅羽くんって格好いいし優しいし本当に素敵だと思うけど、好きとは違う。どちらかと言えば憧れに近い存在だと思う。そりゃ浅羽くんと付き合えたら幸せだろうなって思うし、一緒に歩いたり出来たらそれもまた幸せだと思うし、もしそんな人が居るなら羨ましいとか思っちゃうかもしれないけど。でもだからって恋愛に繋がるわけじゃない。好きになるきっかけなんてどこにでもあるかもしれないけど、私にはそういうのまだないし、憧れ止まり。だってどうせ私が色々と望んだって惨めになるのわかってるし。



「おはよー」



教室に入るとクラスメイトにおはようって挨拶。自分の席は窓際の一番前で、浅羽くんの席は窓際の後ろから二番目。めちゃくちゃ遠いし、浅羽くんがどうであれ私には関係ないことなんだけど、でも、朝の出来事のせいか少しだけ浅羽くんを気にしている自分がそこにはいた。


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