スタートを切って、私は残っていた『3』と書かれた紙を手に取った。
紙を開くとそこに書かれていたのは『天然パーマの人』と言う文字。
私の頭にパッと浮かんだのって松岡くんで、でもクラスが違うから来てくれるかどうか。
それに松岡くん天然パーマなの気にしてるみたいだし。



「何持ってけばいいの?」

「…うん、天然パーマの人なんだけど…」

「じゃあ春を連れてこないとね」



もしかしたら誰かいるかもしれないし、と自分のクラスのところまで歩いて行くとわざわざ悠太くんが聞きに来てくれた。
悠太くんも真っ先に浮かんだのは松岡くんらしく、彼が先に松岡くんのところまで歩いていってくれる。
私も悠太くんの後をついていく。



「え、ぼ、僕ですか…」

「天然パーマといえば春でしょ」

「確かにそうなんですけど…」



悠太くんが話をしてくれたみたいだけど、松岡くんはやっぱり微妙な表情で私たちを見ていた。



「行くのは別にいいんですけどね…」

「じゃあ早く」



そう言って悠太くんは松岡くんの背中を押して、私と松岡くんはゆっくり走った。
急いだ方がいいと思うんだけど松岡くん隣のクラスだし、来てくれるだけでいいのかなぁって私も松岡くんのペースに合わせた。



「なんかごめんね…嫌だったよね…」

「あ!いやあのそんなんじゃなくて……ってこともないんですけど…」

「そんなに気にしてるの?」

「だって、僕以外みんな髪の毛ストレートだし、やっぱり真っ直ぐな髪って憧れるって言うか…」



ゆっくりのんびり、4番目のゴール。
松岡くんは本当に複雑そうな表情で梅雨の時期、これから大変なんですよって少しだけ落ち込んだ様子を見せる。



「すごく似合ってると思うよ」

「うーん…ありがとうございます…」

「ふわふわだし、松岡くんらしいっていうか」

「…うーん…そうですか…?」

「ストレートな松岡くんって何だか想像できないし」



少し考える様子を見せる。
下を向いていた松岡くんはパッと笑顔になって私を見る。



「それもそうですね」



ニコッと笑った松岡くんにつられて私も笑う。
順番はどうであれ、取り敢えずなんか少し松岡くんと仲良くなれたような気がして嬉しいと思った。


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