私が手に取ったのは大きく『2』と書かれた紙。
それを開くと書かれていたのは『頭が良い人』で、私の頭に浮かんだのはあの人。
握り締めて自分のクラスの元に向かっていたら、騎馬戦でボロボロになっていた彼を見つける。
「塚原くん、一緒に来て欲しいんだけど…」
「…あ?…俺?」
「うん、頭が良い人って、塚原くんでしょ」
「……いいけど」
ピラッと、持っていた紙を見せると塚原くんは一瞬目を細めてオッケーしてくれた。
二人で並んで、疲れない程度に軽く走る。
「もっと急げよ」
「だってもう一番は無理だし」
「ちょっとでも上を目指そうっていうつもりはねぇのか」
「楽しかったらいいんじゃない?…皆には怒られそうだけど」
私が苦笑いでそう言うと塚原くんも呆れたように小さく笑った。
「ゴール遠いよねぇ」
「それはねぇだろ」
「塚原くん探してたらあんなとこまで行っちゃったんだよ」
「…お前俺には当たり強いよな」
「塚原くんってなんか話しやすいんだもん」
ごめんね、って言うと彼は頭を掻いて「別にいいけど」と呟いた。
そのままのペースで私と塚原くんは3位でゴール。
塚原くんにありがとうって言って、彼は戻っていくとき「後でコーラな」って言い残していった。
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