ちょっと色々あってその流れで祐希くんとお友達になりました。ちなみにこの事はまだ友達二人にも言ってないし言うつもりもない。というのも、友達になってかれこれ2週間程経つのだけれど“友達って何ですか”状態。いや、別にそんな過大な期待をしていたわけじゃないんだけど、あれから何も変わりないというか。



「で?で?昨日は一緒に帰ったりとかは?」

「してないから。普通にそんな事しないから」

「えー!なんだそれ!つまんな!つまんな!」

「何を期待してるの君は」



この彼、橘千鶴は相変わらず暇を見つけては私のところにやって来て浅羽くんとの関係を執拗に聞いてくる。何もないって毎日のように言ってるはずなんだけど。っていうかもはや何を期待しているのかも分からない。聞くんなら私じゃなくて浅羽くんに聞いたらいいのに、橘くんは浅羽くんと仲良しなんでしょう。…いやだけど、浅羽くんに申し訳ないし、何て言うか浅羽くんは私と友達になったことすら忘れてそうだし。



「っていうか君がずっと食べてるそれ私のなんだけど」

「いやーこれ食べてみたかったんだよね!」



机に広げられている新商品のお菓子は今朝私が友達と食べようと買ってきたものだ。まだあと一袋残ってるからいいんだけど、いいんだけど何かさ、やっぱり馴れ馴れしいんだよ。



「ゆっきーとさぁ、友達になったわけでしょ?」

「形だけね」

「友達なのに?話したりしないわけ?」

「私に言われてもね」

「むーさんにとって友達って何なわけ?」

「私が君に聞きたいわ」



橘くんにとって私はいつの間にか友達だったんだろうけど、私にとっては友達っていうかなんか微妙なところ。橘くんが言ってることはもっともなんだけど、友達なのに喋らないの?とかそんなの私に言われたってどうしようもないわけで。そりゃ私だって喋ったりしたいけど、結局のところ何話せばいいのかわかんない。そう考えると橘くんの存在って何だかんだで有り難いのかなぁ、とは思う。一応何か応援してくれてるみたいだし、何かとキッカケ作ろうとはしてくれてるみたいだし。進展はなくても橘くんがいなかったら浅羽くんと友達っていう関係にもなれなかったわけだし。



「っていうかもういいよ、友達になれただけでじゅうぶんだし」

「何を言うの!?まだまだこれからでしょーが!」

「いやもういいって…」

「よくない!面白くない!だから今日は三人で帰ろう!」

「いや普通に友達と帰るから」



私っていつからこんなに突っ込みキャラになったんだっけ。橘くんの相手してるといつも騒がしい塚原くんの気持ちが分かったような気がする。塚原くんの事はそんなに知らないけど。


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