なんていうか。告白してからしばらくが経って、前と変わらず何の関わりもない日々を送っているわけだけど。いやまぁ、ね、いいんだけど。なんかもうちょっとあるかな、とか、思っちゃうんだけど。…期待しすぎだよねぇ、ダメだよねぇ。漫画や小説じゃないんだからそんなうまいこといくわけないよねー。



「つまんないんだけど」

「私に言われても」



何も無さすぎてつまんないんだって、そんなこと私に言われてもどうしようもない。つまんないからジュース買って来いよと二人に渡されたお金を握り締めて自販機に向かう。ミックスジュースとイチゴオレ。ボタンを押して取り出すと、後ろから「あ!」っていう元気な声がして振り向くとめちゃくちゃ気まずい人がいる。浅羽祐希くんじゃないんだけど、恐らく彼と一番仲が良いであろう金髪の彼。橘千鶴くん。さっきの「あ!」には色んな意味が込められてるんだろうな。視線が興味津々。うわあ。



「こんにちは」

「こ…こんにちは」



ニヤニヤして近寄ってくるよこの人もうどうしよう。早くジュース買えばいいのにって思いながらそっと後ずさると、さりげなーく近付いてくる。ああもう嫌な予感。



「えっと、むむむさん?ってゆっきーのこと好きだったの?」



うわあドストレートな質問。なんか馴れ馴れしいが私は橘千鶴くんともあんまり話したこと無いはずなんだけどな…。ピタッと止まった足で、視線を上げて彼を見ると自販機に手を伸ばしながら私をチラ見していた。うわあやっぱり知ってるよねえ。やっぱり答え求めてるよねえ。



「えー、うん、まぁ、そう、なる、かなぁ」



視線を泳がせながらそう答えるとパァッと笑顔になって「まじだ!」って言った。何がまじなんだ。嬉しそうに笑った彼はバシバシと私の腕を叩きながら何故だか嬉しくなったらしい彼が買ったばかりのオレンジジュースを私に差し出してきた。いやあ頑張れ応援してるから!って、嬉しそうに去っていく彼を見送る。彼は一体何をしにここに来たんだろうか。


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -