「好きです付き合ってください」



人生はじめての告白。今、私は目の前にいる浅羽祐希くんに告白をした。
好きになったのは2年生の体育祭のとき。浅羽くんといえば双子でイケメンだと学校でも結構有名な存在で、1年生のときから存在は知っていた。けど別にカッコいいなぁくらいで好きとかそんなんじゃなかったんだけど、そう、2年生の体育祭。普段ダラダラっとやる気のない浅羽祐希くんが、体育祭のときのリレーで見せた俊足に一目惚れをしたのだ。不純だと言われればそうかもしれないしそれより前から浅羽くんを好きだった子達にしたら、はぁ?って感じかも知れないけど、格好よかったんだ。好きになったんだ。けど別に告白なんか考えてなかったし付き合いたいとも、思ってなかったといえば嘘になるけど、正直諦めてたわけで。だって私なんか学校でも地味な存在だし、だから別に本当にそう言うこと思ってなかったんだけど。面白がった友達に薦められて、っていうか結構無理やりなんだけど、告白してみなよってあんまりにも皆が言うから、ノリ、って言っちゃ悪いけどそんな感じで今日この瞬間を迎えた。
今日に至るまでも大変だった。緊張して何回も止める無理だよって言ったし、振られたときのこと考えるとやっぱり勇気なんか出ない。フラれる、のは仕方ないかもしれないしそんなに話したこともないわけだから寧ろフラれて当然なんだけど、けど、けどさぁ?やっぱり嫌だし。でも今さらじゃんって友達に言われるがまま。どうせフラれるんなら告白なんかしなくていいじゃんって何回言ったことか。下駄箱に手紙入れて呼び出しといたから、って酷いと思わない?言うしかないじゃん。今日に至るまでも何回も告白をシュミレーションしてきたし、フラれるシュミレーションもした。いやもしかしたら、って淡い期待もしてみたけど絶対ないよなって分かってるから余計に虚しくなって終わり。いよいよ明日だってなった時、昨日なんだけど、本気で学校を休もうかと思った。けど休めるわけもない。授業も耳に入らず、ご飯は食べたけど緊張はMAX。放課後のこの時間まで私の心臓はひっきりなしに動きっぱなしだった。一生のうちに心臓が動く回数が決まっていると言うなら私の寿命は確実に縮まったと思う。
もう本気で。本気で。言っちゃった今、心臓がヤバイ。目の前でじっと私を見る祐希くんが余計に私の心臓を速める。お願いだから何か言って欲しい。ごめんとかでも良いから言って欲しい、フラれるシュミレーションは完璧だ。何パターンかやってきたから大丈夫だ、多分。もうソワソワしたまま逃げ出したい。そうなったとき、ようやく浅羽くんがゆっくり口を開いて私に告白の返事を告げた。



「え、あの誰ですか」



すみません、消えてもいいですか。


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