そこそこ仲が良いと思っていた子が悪口を言ってたよっていうのをそこまで仲良くない子に言われた。いくらそこそこ仲が良いと思っていたって悪口を言われるのは気分が良くないし地味にショック。いや嘘、かなりショックだ。私はそこそこ仲が良いと思っていたけど向こうはそうは思ってなかったってことで、けどまぁ私も別にそこまで好きな訳じゃなかったしかと言って嫌いなわけでもなかったわけで。面倒臭い。人間関係も自分も面倒臭くて仕方がない。



「跡部様と喋ったとか自慢してくるわけ!ねぇどう思う!?ムカつくでしょ!?」



そんなわけで私は今までそこそこ仲が良いと思っていた友達に、悪口言われてたよと教えてくれたそこまで仲良くない子の悪口を聞いているわけだが凄く複雑な気持ちでいる。正直なところ私にとっては誰が跡部景吾と喋ったからムカつくとかそういうことはどうでもいい。興味がない。それにそこまで仲良くない子の事も別に嫌いではないし同意を求められたって困るわけだ。それよりも私はそこそこ仲が良いと思っていた君に悪口を言われてたということの方が胸に突っかかる感じで、だからと言って今まで通りに接するしかない自分には物凄くしっくりこない。やっぱり面倒臭い。盛大な溜め息。ああなんかもう突然どうでもよくなった。どうにでもなればいい。聞く話によるとそこそこ仲が良いと思っていた子は私の事あんまり好きじゃないみたいだし、それなら別に一緒に居てくれなくたっていい。こんななら一人の方がよっぽどラクだ。あ、これ前も言った気がする。



「誰が跡部景吾と喋ってたって私には関係ないし、話したいなら話しかけたらいいし、っていうか私あの子の事別に嫌いじゃないし、跡部景吾と喋っててもムカつかないしどうでもいい」



ああ言っちゃった。呆気に取られた表情を浮かべたそこそこ仲が良いと思っていた子はみるみるうちに眉間に皺を刻んで私を睨み付けて「最低」ってどっかに走っていった。そこそこ仲が良いと思っていた子はこの瞬間から恐らく私を嫌いになって(いやそこは実は元々私を好きじゃないじゃなくて嫌いだったかもしれない)周りに色んな事言い触らすんだろなって思うけどなんかもうどうでもいい。怖いものなんかないよ。嘘、本当はちょっと怖い。結構怖い。



「男前やなぁ」



何故か突然現れた忍足なんたらがそんなことを言ってきたけど私は無視して歩き出す。やっぱり私は跡部景吾が好きじゃない。いやこの瞬間私の中で好きじゃないから嫌いに格上げだ。テニス部なんかなくなってしまえばいいのに。いやそれは無理だからテニス部なんか弱小になってしまえばいい。それも無理か。


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