恋は盲目、なんて事を以前に言ったような気がするが盲目過ぎて女子って怖い。ついさっきまで一緒に笑っていた友達の悪口を平気で言えるのだ。生意気だの絡みにくいだの、じゃあ一緒にいなきゃいいじゃんって思うけどそれは違うらしい。一人だと何も出来ないくせに人数が増えると強くなる。結局仲が良くたって裏で何を言われているのかわからない、そういうのってすごく面倒臭い。自分が悪口を言われていた事を知ると激怒するくせに自分は言いたい放題。女子って怖い。友達が少ない、っていうよりいない私には関係ない話だ。一人は少し寂しい気もするが結局一番ラクなのは一人でいることだと思う。
結局何が言いたいかと言うと、跡部景吾に恋する女子は周りにライバルだらけなわけで。少しでも自分をアピールする為に化粧やら香水やらは必須なのだろう。私は今現在その匂いに酔っている。少しならいい匂いでも数が増えて混ざれば気持ち悪くもなるだろう。一応中学生なんだから化粧も香水もまだ早いよ、と胸焼けを感じながらそう思う。突然一層騒がしくなる教室に、僅かながらの苛立ちを感じながら私は敢えてそっち側を見ないように視線を窓から見える中庭に移した。



「忍足いねぇか?」

「忍足くんならまだ戻ってきてないわ」



教室に響く跡部景吾の声と、一番に張り上げた女子の甲高い声。いいなぁとか聞こえるがただ会話をしただけだ。何がどう羨ましいのか私にはサッパリわからない。そういえば言ってなかったが私はテニス部で跡部景吾程じゃないがそこそこ人気の忍足と同じクラスだ。忍足、下の名前は忘れたけど何にしろ私には関係ない。クラスが一緒ってだけで特に話したこともないし、そもそも奴らは私みたいな地味な奴なんか見向きもしないし興味もないだろう。開き直りや逆ギレなんかではないが私もテニス部なんかに興味はない。


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