皆が集まって勉強をする。過去の復習から、これまで習ってこなかった内容のものまで沢山ある。覚えることはこれまで以上で、次々に入ってくる情報に頭は混乱してパニック気味だ。休憩時間も少ない。合宿らしいといえばらしい内容だが、一日目にして既に頭はパンク寸前だった。



「…――はい、終了。プリントを裏にして回してください」



奥村雪男の言葉により一日の締めのテストが終わった。小テストなんていう温いものじゃなくて、本格的なテスト。明日は朝6時起きでこのテストの質疑応答を行うという。頭がいっぱいいっぱい。誰にも気付かれないくらいに小さくため息を吐いて、筆記用具を持って立ち上がる。お風呂に入ってリフレッシュしようと、部屋に帰って着替えを手に持った。

風呂場は薄汚れていた。床も壁も、浴場もちょっと引いてしまうくらいぼろぼろで一瞬躊躇ってしまう。脱衣場にはまだ誰もいなくて私が一番乗りだったらしい。疲れた…ってここに来て何度目か分からないため息を吐いているとガラガラッと扉が開いて、朴さんと神木さんが入ってきた。二人の会話は聞くつもりはなくても耳に入ってくる。



「出雲ちゃん…あの子にヒドくない?」

「え?ああだってあたしあいつのこと友達って思ってないもん。強制してないのに言うこと聞く向こうが変なんじゃん」



…――嗚呼、聞いてていいのだろうかこんな会話を。二人は私なんてまるで気にしていないように話している。聞いていて思うのは“神木さんが朴さんにまるで依存している”ようだってこと。朴さんは杜山さんとは違って私の一番の友達だから、なんて。女の怖さってこういうところだと思う。薄々思っていたけど、どうやら神木さんは私の苦手なタイプの人間らしい。
どうしようもなく気まずいけどそれを気にしないようにセーターを脱いでネクタイを外す。シャツのボタンに手をかけながら思うのは、杜山さんには見られたくない裸を私が見てもいいのか、ということ。一瞬浮かんだ疑問はすぐに消える。私なんか彼女にとったら友達どころか赤の他人なんだろうなと思ったから。別に悲しくなんかないけど―――…そう思いながらシャツを脱いだ。


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