準決勝は祐希くんたちのクラスとの試合で、なんとか勝利。
いよいよ決勝、その前にまた少しの休憩時間。



「あー疲れたー」

「足とかパンパンだ…」



激しく走り回ったのと午前中の疲労と、あと一番は日頃の運動不足のせいでもう、無理ってくらい疲れた。
私も須藤ちゃんも座り込んで、滴る汗をタオルで拭う。
もう無理疲れた、なんて言い合うのは私たちだけじゃなくてチームみんな。
今は3位決定戦やってて、それが終わればいよいよ決勝戦。
冗談で言ってたけどさ、まさかほんとにここまで来ちゃうなんて思ってなかった。



「決勝だってー!?」

「…なんでそんなに元気なのあんたら」

「男子バレー優勝しましたから」

「まじで?」

「すごいね、おめでとう」



汗だくで来てくれたのは橘くんと祐希くん。(松岡くんは疲れすぎてダウンしちゃったらしい)
試合終わったばっかりなのかな。
そういえば隣から凄い歓声が聞こえてきてたような気がする。



「がんばってるね」

「もうヘトヘトです…」

「あと1試合だから、頑張って」

「優勝したら何かおごってくださいよ先生」



冗談で言ったみたいだけど、東先生は笑いながら快くオッケーしてくれた。
でもきっと勝てないから、叙々苑で焼き肉!とか赤プリでディナー!とか皆言いたい放題。
隣のコートでは女子バレーの決勝が始まったらしい。
こっちのコートでも3位が決まった。



「頑張れよー」

「がんばって」

「ここまで来たなら優勝してくださいよ」

「見ててやるからなー!」



祐希くんや橘くんまで応援してくれてて、頑張らなきゃって思ったんだけどまぁバスケ部にそう簡単に勝てる筈もない。
身長も高いからほんとに大変。
後半の前に少しの休憩。
何とか食らい付いていくのが精一杯で、もうみんな結構限界です。




「がんばれ」



そう言って頭からかかってくるタオル。
上を見れば悠太くんがタオルかけてくれてて、自分の汗臭さにハッとしたけどもうそれどころじゃない。
ありがとうって言うと、後半はすぐに始まる。

最後のひと踏張り。
付かず離れずの点数で、もうなんか食らい付いていくのに必死っていうかなんて言うか。
気付けば時間はもうなくて。
最後に私に回ってきたパス。
うわあ私がブザービーターなんだぁって、少し離れた場所からシュートを放つ。
ブザーが響き渡る。
わーって聞こえた声に、まるでドラマで見るワンシーンに飛び込んだみたいな気がした。



「準優勝か」

「ごめんなさい…」

「あははいいよいいよ」

「バスケ部相手にここまでやれたら十分だよ」

「私たちも現役でいけるんじゃない?」



結局シュートは外れた。
だけどみんな笑ってくれた。
もうしょうがない。



「いいとこ外したなぁおい」

「ね、ほんとに…ごめん」

「俺らはなんだっていいけど」

「…っつ、めた……あ」

「あいつにせがまれたついでだよ」



後ろにはパックのジュースを飲む須藤ちゃんがいて、目が合うと嬉しそうに笑ってた。
塚原くんは呆れたみたいに小さな溜め息。
差し出してくれてるそれを、遠慮なくありがとうって受け取った。



「惜しかったなぁアレ!最後もーちょっと、」

「ボク見たかったです…!」

「上手いんですね」

「お疲れさま」



おつかれ、って。
なんかまた幸せに思った。


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -